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動画を見る:How to Assemble Metal Frames(Frame Destination)
あなたの作品を美しく安全に飾るために、金属フレームの「正しい組み立て方」を最短距離で身につけましょう。

滑らかな手順と安全な扱いを覚えれば、初めてでもプロのような仕上がりが叶います。
• 学べること
- 出荷状態のフレームを安全に分解し、内容物(ガラス/アクリル・マット・裏当て)を取り出すコツ
- マットなし/ありの両パターンでの作品のセット方法
- アクリル保護フィルムの剥がし方と、適切なクリーナーによるメンテナンス
- フレーム再組立、スプリングクリップでの固定、作品の最終チェック
- ハンギングワイヤーと壁保護バンパーの取り付け、搬送用ギャラリーポーチの活用
フレームデスティネーションのキットを開梱しよう 出荷されたボックスには、丁寧に包まれた「事前に組み立て済みの金属フレーム」と、印刷された説明書、さらにハードウェア(ハンギングキットまたはハードウェアキット)が同梱されています。まずは同梱物を確認し、作業の全体像をつかみましょう。

- 作業面づくりの基本
フレームは背面を上にして、平らで清潔な面に置くのが第一歩。マットボードや清潔なタオルを敷いて、微細なゴミや擦り傷を防ぎます。この一手間で仕上がりに差が出ます。

金属フレームの分解:コンテンツを取り出す手順 スプリングクリップの外し方は2通りあります。1つ目は、マイナスドライバーをクリップの先端に差し込み、てこのように優しく持ち上げる方法。

2つ目は指を使うやり方で、フレームを軽く押し上げながらクリップを引き抜きます。

どちらの方法でも、力をかけすぎないのがコツです。

- フレームを緩める
上辺のネジを数本ゆるめ、底側のモールディング(片側)を外します。無理にこじらず、緩んだことを指先で確かめながら進めると安全です。

作品の入れ方:マットなし/マットあり
- マットなしのダイレクト挿入
作品がフレームサイズに事前にトリミングされている場合は、ガラス(またはアクリル)と裏当ての間に作品をスライドさせるだけで、追加のマウントは不要です。センターと端の当たりを確認し、均一に収まっているかをチェックしましょう。

- マットありのセット(ヒンジテープ使用)
内容物(マット・作品・裏当て)を取り出し、指紋防止のためにガラスやアクリルはマイクロファイバータオルで扱います。ラインコ(Lineco)などの酸を含まないセルフアドヒーシブ・ヒンジテープを約1.5インチ長で2枚用意。作品の上辺裏側に貼り、マットを重ねて位置を合わせ、やさしく圧着します。

その後、いったん裏返して再度押さえ、テープの付き具合を強化。

バッキング(裏当て)を重ね、最後にガラス(またはアクリル)の上に載せ、全体を一体にします。

クイックメモ:ヒンジは上辺だけでOK。重力方向に遊びを持たせる事で、紙の伸縮や波打ちを軽減できます。なお、動画ではヒンジテープが酸を含まないため、経年での黄変や作品劣化を招かないことも示されています。
アクリルの特別ケア:保護フィルムとクリーニング アクリルを選んだ場合は、この工程に細心の注意を。まず保護フィルムの角を少しめくり、アクリルをマイクロファイバータオルで押さえながら、ゆっくりとフィルムを剥がします。剥がしたら直ちに作品側へ伏せて置き、裏面も同様に処理。素手で触れて指紋を残さないよう配慮します。

- クリーニングの鉄則
アクリルの清掃にはBrillianizeのようなアクリル専用クリーナーを使います。ガラス用のクリーナー(Windexなど)や紙タオルはキズや曇りの原因になるため厳禁です。必要に応じて、マイクロファイバータオルと専用クリーナーで軽く拭きあげましょう。
再組立と固定:スプリングクリップでしっかり保持 開口側を手前にし、ガラス/アクリル・マット・作品・裏当てを重ねた「一体の内容物」を、フレームにそっとスライドインします。

次に外しておいたモールディングを元に戻し、ネジを締めて四辺がフラッシュ(面一)になっているか確認。最後にスプリングクリップを均等に配置し、押し下げながらモールディングの下に滑り込ませます。増し留め用のクリップがキットに含まれているので、必要に応じて本数を増やしてOK。ここで作品がズレていないか最終チェックを行いましょう。

仕上げ:ハンギングワイヤーと壁保護バンパー
- クランプの取り付け
まずメタルクランプのネジを軽く緩め、フレーム側面の適切な位置(上から約1/3)にカチッとはめ込みます。位置が決まったらネジを締め、反対側も同様に。

- ワイヤーの通し方
ワイヤーはクランプに通して数センチの遊びを確保し、同じクランプにもう一度通してから、ワイヤー自身に4〜5回巻き付けて固定します。反対側は軽いV字になるようテンションを取り、同様に巻いたら、余分はハサミまたはワイヤーカッターでカット。飛び出した先端は内側に折り込み、引っかかりを防ぎます。
- バンパーの追加
最後に、壁面保護のためのバンパーをフレーム下辺の角に貼り付けます。これで、壁への当たりを柔らげ、設置後の安定性も向上します。

持ち運び対策:ギャラリーポーチの活用 搬送や保管が想定される場合は、ダブルラミネート構造のギャラリーポーチを使用すると安心です。両面スムースで出し入れしやすく、繰り返し使用可能。ベルクロ付きなら再封可能で、カスタムサイズにも対応します。
クイックチェック
- フレームは平らな面で背面を上にして開始したか。
- スプリングクリップは均等に入り、モールディングはフラッシュか。
- 作品のセンターと辺の当たりは正確か(マット縁からの見え幅が均一)。
- アクリルの保護フィルムは両面とも除去し、指紋やホコリがないか。
- ハンギングワイヤーのV字のたるみは適正か、クランプはしっかり締まっているか。
- バンパーは左右バランスよく貼られているか。
トラブルシューティング
- 作品がずれる/波打つ
ヒンジテープは上辺のみ。位置がずれたらいったん外して再調整。セット中は作品面を下に向けたり傾け過ぎないようにしましょう。なお、紙の伸縮を抑えるためにも、室内の湿度管理が有効です。
- アクリルに曇りや細傷が見える
ガラス用クリーナーや紙タオルは使用しないでください。専用クリーナーとマイクロファイバーで優しく拭き、強い圧を避けます。どうしても落ちない汚れは、再度保護フィルムの剥がし残しがないか確認を。
- 角が浮く/モールディングが面一にならない
ネジを一気に締め切らず、対角を確認しながら段階的に締めていきます。内容物の傾きがないか、スプリングクリップが部材を干渉していないかもチェック。
- ワイヤーがたるむ/長すぎる
V字は控えめに。片側を巻く前に長さを仮決めし、4〜5回きっちり巻いてから余分をカット。先端は内側へ折り込みます。
プロのコツ
- 指跡やホコリ対策の主役はマイクロファイバータオル。アクリルは静電気を帯びやすいため、作業直前に軽く拭いてから載せると混入を減らせます。
- マット合わせは「四隅」ではなく「見え幅」を基準に。最初に短辺、次に長辺の順で位置決めすると歪みを抑えられます。
- クリップは四辺の中央から入れていくと、全体のテンションが均一になりやすいです。
- ハンギングのV字は、展示環境(フック位置)を想定して微調整。実際の壁で試し掛けしてから最終巻きに入ると失敗が減ります。
注意
- アクリルにはガラス用クリーナー(Windexなど)を使わないでください。傷や劣化の原因になります。
- 紙タオルは繊維が移りやすく、細傷・汚れの原因になります。マイクロファイバーを使用しましょう。
- アクリルの保護フィルム剥離時は、埃・指紋を避けるため慎重に。剥がした面をすぐに作品側へ向けて伏せるのがポイントです。
- 作業前に、フレームを平らで清潔な面に置くこと。微細な粒子の混入は取り返しがつきません。
コメントから:視聴者の気づきと学び
- 「フレーム本体を一から組む必要があると思っていたが、この動画で中身を入れるだけで良いと分かり、簡単に感じた」という声がありました。動画どおり、出荷時にはフレームは組み上がっており、内容物の出し入れと固定が中心工程です。
- 「詳しい実演で、失敗を避けられた」という反応も。特にアクリルの扱いと、スプリングクリップでの均一な固定が、仕上がりの安定につながります。
- ていねいな映像と説明が「細部まで見えて安心だった」という評価につながっています。段取りを守れば、初めてでもプロに近い結果が期待できます。
参考メモ(用途の広がり) 金属フレームの作業は、作品を丁寧に扱い、必要最小限の圧と適切な固定を行うことが肝心です。これは刺繍作品や布作品の額装にも応用可能。例えば、布張り台紙でテンションを整えたり、マット開口の見え幅を均一化すると、刺繍の立体感がきれいに出ます。刺繍用のマグネットフレーム運用に慣れている方なら、「挟む・位置決め・均等なテンション」という考え方が共通していると感じるはずです。磁気 刺繍枠 for embroidery
また、ミシン刺繍で使われる磁気フレームやスナップフープの発想は、作品の仮留めや位置合わせのトレーニングにも応用できます。たとえば、刺繍ミシンで人気のmighty hoopは、布を痛めにくく素早く位置決めできるのが強み。額装でも「面で支える」「局所に負担をかけない」という視点が活きます。
さらに、作品運搬時の保護という観点では、刺繍関連でよく話題になるmagnetic フレームやポーチの「出し入れしやすさ」「再利用性」に学ぶ点が多いでしょう。今回紹介したギャラリーポーチは両面スムースで、額装後の作品を傷つけずに収納できます。
刺繍ユーザー向けの小ネタ 刺繍作品を額装する際は、糸の立体感や布の目をつぶさないことが重要です。マットありで作品がガラスやアクリルに直接触れないスペースを作ると、繊細な表情が保てます。刺繍機材の流れでは、Brother系のsnap hoop for brotherやエントリーユーザーに人気の刺繍ミシン for beginnersで身についた「まっすぐ・清潔・均一圧」のクセが、額装でも頼れる基礎力になります。
道具と素材(動画に基づく)
- ツール:マイナスドライバー、(必要に応じて)ハサミ/ワイヤーカッター、メジャー
- 素材:スプリングクリップ、マット、裏当て、ガラスまたはアクリル、セルフアドヒーシブ・ヒンジテープ、ハンギングワイヤー、バンパー、(任意で)ギャラリーポーチ
- クリーナー:Brillianize(アクリル専用)
作業フローの全体像(復習) 1) 作業面を整え、フレーム背面を上に置く → クリップを外し、上辺のネジを緩めて底側モールディングを取り外し、内容物を取り出す。 2) マットなしなら作品をガラス/アクリルと裏当ての間へスライド。マットありが基本なら、ヒンジテープを1.5インチで2枚、上辺裏面で固定し、裏返して圧着、裏当てを重ねる。
3) アクリルなら保護フィルムを両面とも丁寧に除去。必要に応じBrillianizeとマイクロファイバーで清掃。
4) 内容物を元通りにフレームへスライドし、モールディングを戻してネジを締める。クリップで周囲を均等に固定し、ズレがないか確認。
5) メタルクランプを左右とも上から約1/3に装着し、ワイヤーを通して4〜5回巻き、軽いV字を作って反対側も同様に。余分をカット、先端を内側へ。
6) バンパーを下辺角に貼り、完成。
小さな工夫で大きな違い 額装は「清潔」「位置出し」「均一な固定」がすべて。刺繍で言えば、hoopmaster station kitのように基準線をもつステーションで習熟すると、位置決めの精度が上がるのと同じ理屈です。フレームでも、中央→四隅→全周という順番で圧を配分すると、仕上がりが安定します。
作品ジャンルを超える学び 紙作品、写真、刺繍、テキスタイル。どのジャンルでも、素材に合ったクリーニングと、素材に優しい固定方法が鍵。アクリルの扱い方を覚えると、布作品の表情を曇らせない展示ができ、持ち運び時はギャラリーポーチでフチや表面のダメージを防げます。刺繍界隈のdime 磁気 刺繍枠や各種スナップ系フープで培った「素早く・きれいに・傷めずに固定する」感覚も、額装の成功率を高めてくれるはずです。
最後に まずは動画のとおりに手順をなぞってみましょう。難しい道具は必要ありません。落ち着いて、清潔に、やさしく。そうすれば初めてでも、安心して作品を飾れるはずです。
ヒント(拡張編) マットの色と開口は、作品の主役を引き立てる「舞台」。大きすぎず小さすぎずの見え幅に調整し、視線が自然に作品へ誘導されるように設計しましょう。もしテキスタイル作品をよく扱うなら、mighty hoopsのように面で保持する固定の考え方を、額装の圧配分にも活かしてみてください。
