Table of Contents
動画を見る:A Beginner's Guide to Serging: Brother 1034D(Rooney Patterns)
プロのような端始末は、難しくなくていい。Brother 1034Dなら、はじめてでも美しい縫い代と長持ちする仕上がりが実現します。

「糸かけが怖い」「ナイフが不安」——そんな最初の壁を、この一本で乗り越えましょう。
学べること
- 4色の色分けガイドに沿った正しい糸かけの流れ
- はじめての基本操作(チェーンづくり、押さえの扱い、スピードコントロール)
- ナイフのオン/オフと安全な練習方法
- ほつれ防止の仕上げテクと、縫い目が乱れるときの原因チェック
- 生地選びとメンテのベストプラクティス
なぜロックミシンで縫い代が変わるのか ロックミシンの最大の魅力は、縫いながら端を処理し、ほつれ止めを同時に済ませられること。衣服の内側をきれいに、そして長く使えるように仕立てます。一般的なミシンのジグザグやピンキングは便利ですが、連続使用や洗濯を繰り返す衣類では耐久性に差が出ます。

ピンキングばさみでのギザギザ処理と、ロックで仕上げた端の差は一目瞭然。実物を比べると、糸の絡みと端のまとまりでロックに軍配が上がります。

家庭用の工夫でもある程度は整いますが、ロックミシンはスピードと仕上がりの両立に強い。手間を減らしつつ、ムラのない均質な端始末を繰り返し再現できます。

なお、「ロックがまだ用意できない」場合は、フレンチシーム(袋縫い)が美しい選択。縫い代を包んでしまうため、内側がすっきり収まります。

プロのコツ
- 初期の目標は“安定した同じ見た目”。スピードより、針目と端の揃いを優先。
- 生地端を軽く整理しておくだけで、ナイフの負荷が減り、刃の持ちもよくなります。

注意
- ナイフ作動中は、余分な生地が刃の下に潜り込まないよう平らに保つこと。
- はずみ車は常に手前へ。逆回しは糸絡みや故障の原因になります。
クイックチェック
- 「仕上がりが粗い」→ 糸路のどこかが外れている可能性大。
- 「縫い代を切りすぎる」→ ナイフオフで練習→オンの順で徐々に慣れる。
最初の一台:Brother 1034Dの特徴と準備 Brother 1034Dは、扱いやすさとコストのバランスがよいベーシック機。衣服や軽めのアイテムに最適で、初めてのロックミシンとして十分な性能を備えています。糸は通常のミシン糸ではなく、ロック用の大きなコーン。交換頻度が少ないのも魅力です。

スレッド(糸)選びの基本
- 「ロック/オーバーロック用」と明記のある背の高いコーンを使用。
- 作品に合わせて色を替えたい場合は、実際に“見える”針糸(右と左)を優先して色合わせするのも手。
- 中立色(オフホワイト〜クリーム)で常用すれば、交換の手間を減らせます。
小ワザ:設定を“記録”しておく いったん調子が出た設定は、スマホでダイヤルや側面のノブを撮影。何かの拍子に設定がズレても、すぐ戻せます。薄手の布帛を多く縫うなら、箱出しに近い設定でも十分にきれいな端が出やすい傾向です。
色分け順序でマスターする糸かけ 色分けは、緑→青→ピンク→黄の順。ここを正確に守ることが、きれいなステッチの近道です。
準備:
- 4つのロック用コーンを糸立て(Tバー)にセットし、背面の穴へ通す。
- 必要なら押さえ金を外し、付属のピンセットを準備。
- 緑(最初)
緑の糸をテンションディスクに“カチッ”と入れ、ボディ内のグリーンのラインとドットに沿ってフック→ガイド→指定穴へ。糸端はシャープにカットし、ピンセットで確実に通します。




- 青(次)
青のテンションディスクからスタートし、青ラインとドット、フックNo.8の後ろを通過。はずみ車を手前へ回して矢印部を引き出し、糸にテンションを与えつつ背面側へ誘導して戻します。最後にピンセットで通して背面へ逃がします。
- ピンク&黄(最後の仕上げ)
扉を閉じ、ピンクは指示番号に沿って右針へ、黄は左針へ。それぞれ針穴を確実に通し、押さえ金をレバーで元に戻します。最後にはずみ車を手前へ回して、短いチェーン(糸の尻尾)を作っておきましょう。

ヒント:
- スプールの位置は、色分けセクションの直後ろを使用する、という投稿者の補足がありました(視聴者質問への返信より)。
注意
- 機種によって糸かけ順は異なる場合があります。必ずお手持ちの取扱説明書に従ってください(本稿はBrother 1034Dの実演に基づきます)。
クイックチェック
- 「糸が勝手にほどける」→ テンションディスクに“確実に入っていない”可能性。
- 「通らない」→ 糸端を斜めに鋭角カット+ピンセットで微調整。
なお、刺しゅう機材を併用する方に向けた情報として、マグネット式の刺しゅう枠は着脱が速く作業効率が上がります。例えば 磁気 刺繍枠 は軽微な位置調整がしやすく、量産時のテンポを保つのに便利です(用途別に検討を)。
基本操作とナイフの使い分け はじめての運転
- はずみ車を手前へ回し、まずはチェーンを少し作って“尻尾”を出します。
- 押さえを上げて生地を差し込み、押さえを下げます。
- フットコントローラは“ゆっくり”が基本。踏み込み量=スピードです。

ナイフのオン/オフ
- 練習やパーツ結合時は、ナイフをオフ(下げる)。切り過ぎを防げます。
- 仕上げで端を整えるときはオン。縫い代の余りや不揃いを綺麗にトリムします。

プロのコツ
- 生地端は常に平らに。畳まれた余りが刃に入ると、思わぬ“穴あき”につながります。
- 縫い代が1/2インチ未満(1/4〜1/8インチ)の時は、ナイフオフで安全に進めるのも選択肢。
注意
- 後方(逆方向)への回転は厳禁。糸絡みや機構の不具合の元になります。
クイックチェック
- 「速すぎて曲がる」→ フットコントローラを1/3程度で固定する練習を。
- 「縫い始めでもたつく」→ 先にチェーンを作ってから布を入れる。
関連メモ:刺しゅう用途でBrotherをお使いなら、強磁力タイプの枠(例:mighty hoop brother や snap hoop monster for brother)は厚手素材や段差付近の保持に便利。ロックとは別工程ですが、縫製全体のワークフロー効率化に役立ちます。
仕上げの始末とトラブル解決 尾を編み戻して“ほどけない”仕上げ
- 端まで縫ったらそのまま数インチ先までチェーンを出してカット。
- ダーニング針をチェーンに通し、尾を縫い目の中へ編み戻して固定。結び目だけよりスマートで、洗濯にも強い仕上がりです。

縫い目が乱れる/結び目のようになる
- まずは糸かけを総点検。1か所でも外れていると全体が崩れます。
- いったん全糸を外し、内部のホコリ・糸くずを掃除機で吸い、最初からかけ直し。
- それでも改善しなければ、テンションや側面の設定を“記録写真”と照合。
プロのコツ
- 「調子が良かった日の設定」をスマホで保存。再現性が上がります。
注意
- クリーナーの吸引で糸端を巻き込まないよう、糸は横へ逃がしてから吸い込みましょう。
クイックチェック
- 「山のような糸くず」→ ナイフ使用が多い日は使用後すぐ掃除を。切りくずは蓄積が速い。
コットンやリネンなど衣類全般に使うなら、ロック用はポリエステル糸で十分な耐洗濯性があります(動画コメントでの投稿者の言及)。
長く使うためのベストプラクティス 日々の掃除
- 毎回の使用後に、糸くず・ホコリ・微細な切りくずを掃除機で吸い出し。
- 刃の周辺やルーパー付近の溜まりはトラブルの温床。見えない奥まで軽くノズルを入れると効果的。
生地選びと層の扱い
- 本機は“ベースラインのロック”。“デニムまで”を目安に、過度に厚い素材は避ける。
- 厚手(キャンバスや厚デニム等)では、レイヤーを分けてロック→本縫いで結合、の順が安全です。
よくある迷い:ミシンで縫ってからロック?
- ニットなど伸びの必要な簡単アイテムは、ロック直行も可。
- ドレスやパンツなどの布帛は、まず本縫い→ロックで端を防ほつれ。布帛は先に構造を固めると崩れにくくなります。
コメントから
- 針サイズ:投稿者は「130/705 H」を標準針に言及(視聴者質問への返信)。
- ニット vs 布帛:側面ノブでニット寄りに微調整することがあるとの補足あり。
- 糸立て破損:交換事例の明確な報告はスレッド内では未確認。メーカー/代理店パーツの確認を推奨。
なお、他ブランドの刺しゅう機材を併用する方へ:機種ごとに専用枠が異なります。例えば brother 刺繍枠、babylock 刺繍枠、bernina 磁気 刺繍枠 など、互換性やサイズは必ず型番で確認してください。縫製と刺しゅうのワークフローを行き来する方は、工程ごとのツール最適化が効率を高めます。
コメントから:初心者のよくある疑問に答える
- 糸かけの順序は?
→ 本稿の順序(緑→青→ピンク→黄)は1034Dの実演に基づくもの。モデルによって右から左の並びに従うなど差異があるため、必ず取説の図を参照してください。
- どのスプールを“緑”に?
→ 色分けブロックの“直後ろ”のスプールを使う、との投稿者回答あり。
- はずみ車を逆に回すと?
→ 本動画では“前方向のみ”と明記。逆回転は推奨されていません。
- 厚地はどこまで?
→ デニム程度を上限の目安に。過厚地はレイヤー分割→本縫い結合。
- 仕上げはどう止める?
→ ダーニング針でチェーンの尾を編み戻すのが簡単・確実。
最後に:気持ちよく縫うための“心得”
- とにかく“糸かけ”が肝。迷ったら一度リセットして、色分けガイドに忠実にやり直す。
- ナイフはオフでじっくり慣れ、オンで“切って整える”気持ちよさを味わう。
- 設定は写真で残す——次に迷わないための最短ルートです。
小さなTIPS:刺しゅうフレームの互換について 縫製の合間に刺しゅうを取り入れるなら、対応フレームの一覧は早めに確認を。とりわけ磁石式は着脱が速く、量産や位置合わせのストレスを軽減します(例:brother embroidery 磁気 刺繍枠)。ロックで端を整え、刺しゅうで魅せる——ものづくりの楽しみが広がります。
