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家庭用ミシンで厚物縫いをマスターする
厚さ約3/16インチ(約4.8mm)の高密度ストラップを題材に、Jeffは“家庭用でもいける”ことを証明します。素材は拾い物のストラップを整えたもの。これを重ねて縫い、牽引にも耐える強度を実演。要は、設定と手順が肝心なのです。

まずは縫い目の選択。Bernina B790 Proで“トリプルストレートステッチ”を指定(同機ではステッチNo.6)。名称どおり、同じ穴に3回針を落とすことで、通常の直線より圧倒的に高い耐久性を確保できます。

迷ったらヘルプ機能(“?”マーク)をタップ。重厚素材の強化縫いに適すると明記されています。ここで要点を把握してから進めるのが、失敗を減らす近道です。

可視性を高めたいデモでは“トリプルジグザグ”も有効。パターンがはっきり見えるので、縫い進みや噛み合いの確認がしやすくなります。

プロのコツ
- 糸は“ヘビーデューティー”を名乗るナイロンではなく、標準的なポリエステルを推奨。トリプルで十分な強度が出ます(動画主の経験則)。
- 針はサイズ16(100)で十分。家庭用にそれ以上太い針は推奨せず。太すぎると、ミシンのパワーを“押し込み”に使ってしまい、かえって非効率。
注意
- サイズ69のナイロン糸は、家庭用ではトラブルの原因になりやすいとの注意喚起(動画内見解)。どうしても使う場合は上糸・下糸両方のテンション調整が前提になります。
クイックチェック
- 画面に“トリプルストレート(またはジグザグ)”が選ばれているか
- 針は16(100)、糸はポリエステルか
- 厚物の当て方に段差が出ていないか
コメント補足
- 「押え圧やテンションは変えた?」に対して、Jeffは「標準のまま」と回答。厚物でも、まずは“正しいステッチ+正しい針”で効果が出ることを押さえましょう。
針管理を一新するスマート術
Jeffが推すのが、Schmetzの“Gold Jeans”針(サイズ16/100)。チタン(窒化チタン)コーティングで、難素材でも滑りがよく、通りが安定します。

針交換は安全第一。ニードルグラバーで針軸をしっかり保持し、Screw-k-doo(大型ハンドルのドライバー)でネジを軽く緩める/締める。白目むくほど締めない——これは鉄則です。

Screw-k-dooは握りやすく、指先の負担が少ないのが利点。最後は“軽く半回転”が目安。締め過ぎはネジ破損のリスクなので要注意。

針の“見える化”にはmyPadが便利。種類や番手がラベル化され、使いかけの針をスロットに戻せます。チタン針は8〜16時間の使用目安が示され、次回の再利用判断もスムーズ。

プロのコツ - “フラット面を後ろ”の向きで確実に装着。ニードルグラバーを併用すると、手元が安定して早い。

- B790 Proの自動糸通しは信頼性が高く、厚物作業時の再始動も楽。カットしてボタンを押すだけでOK。

補足:Gold針の活用幅
- Jeans 100/16:厚手素材に。
- Embroidery 90/14:気難しい刺しゅう糸に。
- Embroidery 75/11:通常刺しゅう向け。
DIYアイロンステーションで即プレス体制
縫う→立つ→アイロン台へ——この動線を断ち切るのが、小型スチームアイロン“Steamfast SF-717”。水道水でOK、立ち上がりも早く、縫いながら“即プレス”。縫い代割りが止まらない。

教室やリトリートで「席を立ちたくない」ニーズにも合致。Jeffはこのブランドを好んで使用。なお、過去の一部ロットでリコール情報があった旨に触れています(動画内言及)。
古いTVトレイをDIYでアイロン台化するアイデアも秀逸。綿バッティングを2層、上にキャンバスを重ねて、裏からステープルで留めるだけ。折り畳めて省スペース、必要な時にサッと出せます。

注意
- 金属製トレイにはステープル不可。木板を載せてからカバー生地を留める、または市販のアイロン台カバーを切って被せる、が安全策。
クイックチェック
- たわみなく張れているか
- 熱に強い素材(キャンバスや厚手コットン)を使っているか
最適化のヒント
- ポータブル台はカッティングボードの台にも流用可。ミシン脇で“切る・縫う・押さえる”が一筆書きになります。
コメントから
- 磁石付きピンホルダーの安全性については、「現代のミシンは磁気シールド済みで通常サイズの磁石は安全」とJeffの見解あり。
必携ツール:針つかみ&Screw-k-doo
針交換の安全・正確・時短を支えるのがこの2点。ニードルグラバーは“押すとフックが出て、離すと戻る”仕組みで小さな針を確実につかみます。Screw-k-dooは太いグリップで力加減をコントロールしやすい。過締めNGという点だけは常に意識しましょう。
また、ミシン前面に“貼るだけ”のニードルボックスホルダーを置くと、愛用の番手パックを常にスタンバイ可能。myPadと併用すれば、「次にどの針を使うか」で迷う時間が消えます。

Bernina Jeffの推し設定とベストプラクティス
設定の骨子はシンプル。
- ステッチ:トリプルストレート(必要に応じてトリプルジグザグ)
- 針:サイズ16(100)を上限の目安に(家庭用)
- 糸:ポリエステル(ヘビーナイロン69は非推奨・要調整)
実演では、分厚いストラップにもかかわらず、B790 Proが難なく貫通。三本取りのように1穴に3本分の糸が入り、縫い目自体が補強材の役割を果たします。

縫い終わりは自動糸切りでスマートに。明色の糸(オレンジ)を使うと、縫い上がりの確認が容易です。

コメントからの“実務知”
- #69ナイロン糸について:Jeffは動画で非推奨。一方、古いKenmore機で調整して使いこなす事例も寄せられています。家庭用で太い糸を使う場合は、上糸・ボビンともにテンション調整が必須。
- V92ポリエステル糸:番手不明ながら、家庭用では50番推奨とJeff。迷ったら“50番+トリプル”で堅実に。
注意
- ネジの過締めは破損の元。締め付けは“軽く半回転”が安全域。
コメントから:疑問に答える
厚物対応力
- Bernina 5シリーズや570でも縫える? → 「いけるはず」「はい」とJeff。動画ではB790 Proを使用していますが、トリプルステッチを持つ多くの機種で応用可能との立ち位置です。
テンション・押え圧
- 「厚物で調整は必要?」 → Jeffは「標準設定のまま」と回答。まずはトリプル×16針×ポリエステルの基本形で様子見を。
ミニアイロンの安全
- 過去リコールに触れつつ、現行は品質が良好との所感。お手元の個体が対象かはメーカー情報で要確認。
糸の太さ
- 家庭用では50番推奨。特殊・太番手を使う場合はテンションの見直しが前提。
針の購入先
- Schmetz Gold Jeans針の海外購入可否について、Jeffは「取り扱いあり」とコメント。最寄りの販売チャネルやショップも併せてチェックを。
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小さな“画面外の味方”たち
- 針ボックスホルダー:お気に入り番手を“貼って”定位置化。使い終わりはmyPadへ戻して循環させると迷いゼロ。
- 自動糸通し:頻繁な糸替え時の目の負担を軽減。厚物作業でも再始動がスムーズ。
編集部の注記(検索メモ) 本記事は“厚物縫い”が主題ですが、読者からの検索流入には刺しゅう関連用語も多く見られます。用語確認用にキーワード例を記しておきます(紹介のみ/製品仕様や対応機種は各社公式の最新情報を参照)。例えば、磁気 刺繍枠 や bernina 磁気 刺繍枠 といった用語は、整理収納や作業効率の観点で関心が集まりやすい傾向があります。
また、他社機ユーザーからも問い合わせが寄せられます。たとえば brother embroidery 磁気 刺繍枠 や janome 磁気 刺繍枠 といった検索キーワードは、刺しゅう環境の最適化を考える際の入口になっています。さらに、アクセサリー全般では dime snap hoop や snap hoop monster といった名称のトピックも目にします。用途や対応可否は多岐にわたるため、購入・導入前に必ず公式仕様で適合確認を行ってください。最後に、磁力保持の代表例として mighty hoop は広く言及されますが、作業台上のレイアウトや保管との相性も含め、総合的に検討するのがおすすめです。
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まとめ
- 厚物は“トリプル×ポリ糸×16針”で、まずは基本形を確立。
- 針交換はニードルグラバー+Screw-k-dooで安全・確実に。過締め禁止。
- myPadで針の情報を見える化。貼り付け式ホルダーで“使う針”を常備。
- ミニアイロン+DIYアイロン台で、ミシン横にプレス動線を確保。
結果、縫いが途切れません。強度が必要なストラップやバッグづくりで、仕上がりとスピードの両立を実感できるはずです。


