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NeverDenyMeとBravo Xのはじめに
動画の案内役はNeverDenyMeのNate。テーマは「Bravo Xで刺繍枠アームを切り替え、大枠に対応させる方法」。まずは問題の“症状”をはっきり可視化します。標準枠はどれも軽快に出し入れできるのに、唯一44×30cm(約11×17インチ)の大枠は入らない。つまり、アームの幅設定が合っていないのです。
注意:以降の作業は、電源を落とし、作業スペースを確保してから行いましょう。付属のオペレーターズキットに6mmの六角レンチが含まれています。
クイックチェック
- 小枠は軽く差し込むだけで「カチッ」と収まるか?

- 大枠は“物理的に幅が足りず”に当たっていないか?

コメントからの励ましも追い風。初めて大枠に挑戦するタイミングで迷ったという声が届いており、手順の“見える化”がそのまま解決に直結します。
なお、他社機を併用しているユーザーの間では、磁力で挟むタイプのアクセサリー(いわゆる磁気 刺繍枠)を使うケースも見られます。機種・規格はそれぞれ異なるため、互換性の確認は必須です。
Bravo Xに付属する刺繍枠を理解する
動画では、付属する4つの標準枠が紹介されます。サイズ表記は“見た目が似ているのに中身が違う”ので、混同しがち。特に90mm(3.5インチ)枠は「ラベル上の径」と「実際の刺繍可能エリア」に差がある点にも触れられていました。
- Size 3/120mm:ラベルが明確な小枠。

- Size 4/150mm(推定):ラベルが一部隠れているため推定と説明。
- Size 1/90mm(3.5インチ):本体にはSize 1とあり、ユーザーが見やすいように上部に自作ステッカーを追加。実際の刺繍可能範囲はラベル径より小さめ。

- 大枠 44×30cm(約11×17インチ):前機種(最大5×7インチ)と比べて圧倒的に大きい。

標準枠(小枠)はそのままスライドで装着OK。

ところが大枠は広いアーム幅が必要で、現状の“内側スロット”設定のままでは機構に当たり、装着できません。
プロのコツ
- 枠の区別は、見た目よりも“ラベル表記と実測の作業寸法”で把握。
- 大枠は機械側の準備(アーム幅)と枠そのものの調整(底面フラット)の二段構えで考えると理解が早い。
余談ながら、ブランドによって枠や固定方式の流儀はさまざまです。たとえばbrother 刺繍枠やbabylock 刺繍枠など、各社アクセサリーの仕様は異なるため、他機のノウハウを適用する際は“原理だけを借りる”意識が安全です。
刺繍枠アームの交換・拡張ステップ
ここからは、動画の手順に沿ってBravo Xのアームを“内側”から“外側”スロットへ移設し、大枠を装着できる状態にします。流れはシンプルですが、締め付けトルクと向きの確認が要点です。
必要な工具:6mm六角レンチ
アーム部には合計4本のビス(左右に各2本)があり、付属の6mm六角レンチで緩めます。

オペレーターズキットに入っている7本組の中で“最大サイズ”が6mmです。

注意
- “左で緩める、右で締める”を厳守。

- この機種のビスは、万一の過負荷ではビス側が先に壊れる設計。つまり過締めは破断につながります。半回転程度から様子を見て、必要最小限で。
クイックチェック
- 六角の差し込みにガタつきがないか(サイズ違いはNG)。
- 緩めた後も、完全には外さず“落ちない程度”をキープ。
アームブラケットを外側スロットへ(片側)
片側の2本を緩めて、いったんアームブラケットを引き抜きます。

ベース側には4つのスロットが並び、初期状態は“内側”に装着。これを“外側”の2スロットへ差し替え、指で軽く仮締めします(まだ本締めはしない)。

注意
- アームは左右で専用。入れ替え不可です。
- バーの“盛り上がった側”が上。上下を逆にしない。
反対側も同様に移設
もう片側もまったく同じ手順で外側スロットへ移設し、指締めで仮固定。左右の位置が対称であることを確認します。ここまでで“大枠を通すための幅”が確保されました。

プロのコツ
- 本締め前に“大枠の試し差し”を行うと、微修正が最小限で済みます。
大枠のトラブルシュート:底面フラッシュを作る
アームを外側へ広げても、それだけでは大枠がスムーズに入らない場合があります。原因は“内枠が外枠より下へ突き出してしまっている”こと。小枠ではアームが長く、多少の段差があっても挿入できるのですが、大枠ではこの段差が致命傷になります。

対処はシンプル。大枠をテーブル上でしっかり支え、内外枠の“底面”が一直線(フラッシュ)になるように調整します。

注意
- 底面フラッシュを作る際、布や芯材(スタビライザー)が浮かず、均一に挟めているかを目視。
- 手締めで足りない場合はプラスドライバーを使用(動画では“大型素材ではドライバーが必要だった”との言及あり)。
クイックチェック
- 底面を横から見て、内外枠の段差が“0”になっているか。
- 枠の押さえが強すぎて素材が歪んでいないか。
装着テストと本締め
底面がフラッシュになったら、アームへスライドイン。ここで“カチッ”とロックの感触と音が得られれば正解です。

いったん抜き差しを数回繰り返し、スムーズに動くことを確認。

問題がなければ、左右のアームビスを6mm六角レンチで本締めします。ただし、あくまで“しっかり、でも過度でない”トルクで。必要に応じ、大枠側はドライバーで最終テンションを整えます(小枠は手締めで足りることが多いが、大枠は工具が有効)。

プロのコツ
- 本締めは左右交互に少しずつ。片側だけを一気に締め上げると、微妙なねじれが出やすい。
- 締結後にもう一度“抜き差しテスト”を行い、装着感が変化していないか確認。
最終チェックと刺繍開始の準備
- カチッと確実にロックされるか(音と手応えで判定)。
- 出し入れは引っかかりなくスムーズか(繰り返しテスト)。
- アームのビスは“しっかり、でも過締めなし”で所定の位置か。
- 内外枠の底面はフラッシュのままか。
ここまでクリアすれば、Bravo Xは大きな刺繍プロジェクトの準備完了。次の工程(実際のステッチアウト)は動画の次回編での紹介となります。
注意
- アームを逆向きに装着すると、機構に無理がかかり破損の恐れ。向きと左右を必ず再確認。
- ビス破断は交換部品でリカバーできる設計だが、そもそも破断させないのが最善。
スムーズに枠交換するためのプロのコツ
- セットアップ前に“症状の見える化”:小枠は入る/大枠は入らない、を自分の目で確認する。
- 六角は正サイズ、回し始めは半回転。抵抗の変化を指で感じる。
- 大枠は机上で底面フラッシュ。段差が少しでも残れば再調整。
- 本締め後に“抜き差しテスト”を習慣化。問題が出たらすぐ緩めて微修正。
周辺アクセサリーの雑談
市場には各社の磁力式枠やサポート治具が多種多様にあります。たとえば、工房ではmighty hoopのような名称で語られる磁気系の固定ソリューションも知られていますが、いずれも“機種別の適合と手順”が存在します。Bravo Xで使う際は、製品の適合情報と手順書を必ず確認しましょう。
さらに、業務用途ではtajima 刺繍枠やbarudan 刺繍枠のようにブランド別に最適化された枠群が存在し、家庭〜小規模ビジネス向けではjanome 刺繍ミシンなどのプラットフォームも選択肢。名前が似ていても互換性があるとは限りません。情報は常に一次ソース(メーカー・正規代理店)で確認し、安易な流用は避けてください。
コメントから:視聴者の気づきと学び
- 大枠デビューでつまずいた視聴者は“底面フラッシュ”のポイント理解で解決。手順が見えると一気にモヤモヤが晴れます。
- これからミシンを導入する読者からは“設置〜初期セットアップの不安”の声。制作環境の搬入・初期設定をサポートしてくれる販売店もあるので、購入時に確認を。動画でも「納品時に設置・セットアップしてくれた」という体験談が共有されていました。
プロのコツ
- 初回は“ゆっくり・確実に”。焦らず、各段階でチェックリストを踏むことで、失敗を最小化できます。
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最後に:本記事は動画で確認できる事実の範囲を忠実にまとめています。モデル固有の数値や最大刺繍範囲の“確定値”など、動画で明言されていない部分はあえて記載していません。実機のマニュアルと安全指示を必ず参照し、無理のないトルク管理で作業してください。
ヒント:他社機の話題が気になる方は、用語・仕組みの“考え方”を参考に留めるのがお勧め。たとえば磁気 刺繍枠系のアプローチは便利ですが、Bravo Xにそのまま当てはめるのではなく、適合情報の確認を第一に。ショップやメーカーのサポート活用も大いに助けになります。
