旧型Baby Lock多針刺繍機(EMP6)のダイレクト接続ファームウェア更新:安全に、迷わず、再現できる手順書

· EmbroideryHoop
動画で紹介されている「Direct Connect(ダイレクト接続)」方式を、現場でそのまま使えるチェックリスト形式の手順に再構成しました。LCDで現在のバージョンを確認し、正しい.SAP更新ファイルを“開かずに保存”して展開、USBケーブルでWindows PCと接続し、[糸通し(ニードルスレッダー)]+電源のボタン操作で更新モードへ移行。あとはUSB経由でファイルを転送し、再起動後にバージョンが上がったことを確認します。さらにコメントで多い「更新が見つからない/サポート終了モデル」「verup file not found」「接続してもPCが認識しない(ビープ音だけ)」といったつまずきポイントも、事実ベースで整理し、無駄な試行と更新失敗リスクを減らします。
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目次

旧型の刺繍機のファーム更新は、正直「爆弾処理」みたいに感じることがあります。画面表示は古く、マニュアルに書かれたWeb導線は今と違い、クリックを一つ間違えるだけで“動かなくなるのでは”という不安も現実的です。

このガイドでは、旧型Baby Lockの多針刺繍機(特にEMP6系)を対象に、動画の「Direct Connect(ダイレクト接続)」手順を 迷いにくく、再現性の高いワークフロー として組み直しました。単なる手順の羅列ではなく、保守作業を「安全運用モード」に乗せるためのチェックポイントを入れています。

LCD上でのバージョン目視確認(ムダな更新を防ぐ)、.SAPファイルで多発する「開いてしまう」事故の回避、[糸通し(ニードルスレッダー)]を使った起動シーケンス、Windowsからの安全な転送までを、順番通りに実行できるようにまとめます。

量産の現場で旧型の baby lock 6本針 刺繍ミシン を運用している場合、フロッピーディスクに頼らずに“今のソフト状態を確認し、必要なら更新する”ための、最も安全なルートになります。

Wide shot of the presenters Sarah and Sandy sitting at a table with the 6-needle machine and laptop.
Introduction

現在のファームウェアバージョンを確認する

保守の第一原則: 何も確認せずに更新しないこと。ダウンロード前に「現状」を確定します。更新が必要かどうかの判断材料になり、モデル取り違えも防げます。

Side profile close-up of the Baby Lock multi-needle machine showing the needle head and arm.
B-roll showcasing the machine

手順1 — LCDでバージョンを目視確認

  1. ミシンの電源を通常どおり ON にします。
  2. 画面の 設定(Settings) を開きます(アイコン表示の場合が多いです)。
  3. 1ページ目右下 を見て、小さく表示されるバージョン番号を探します。
  4. その番号を必ずメモ します(例:VERSION 1.51)。
Stylus pointing to the settings icon on the LCD screen.
Navigating to settings

チェックポイント

  • 表示チェック: 数字が読める状態で表示されている。
  • 作業チェック: 紙などに「現状:1.51」のように控えた。

現場メモ:「型番が似ていて混乱する」問題

旧型の babylock 刺繍ミシン では、型番が似ていて混同しやすい(BMP6/BMP8/EMP6/Ellureなど)という悩みが起きがちです。

  • よくある落とし穴: EMP6なのにBMP系の更新を当てようとしてしまう。
  • 回避策: 本体背面の銘板(シリアルプレート)で型番を確認し、ダウンロードするファイルが“その型番向け”であることを一致させます。ファイル名や対象表記が合わない場合は そこで中止 してください。

注意: ハード状態の確認。 画面がチラつく/真っ黒で表示されない/タッチ反応が不安定な状態では、更新作業は行わないでください。安定した表示と電源が確保できないと、更新中断のリスクが上がります。先にハード不具合を解消してください。

LCD screen displaying 'VERSION 1.51' in the bottom right corner.
Verifying firmware version

Baby Lockから正しい.SAPファイルを入手する

「Direct Connect」方式では、特定形式の更新データを使います。ここで一番多いミスは、.SAPを一般ファイルのように開こうとすることです。Windowsは.SAPを“中身を読む”用途では扱えません。ミシンが読むためのデータです。

Screen capture of the Baby Lock website software downloads page.
Locating download

手順2 — 対象を絞ってダウンロード

  1. メーカーのサポート/ダウンロードページへ移動します。
  2. 自分の機種(型番)を探します。
  3. 重要な分岐: 「Floppy Disk(フロッピー)」と「Direct Connect(USB)」の2種類が表示されることがあります。フロッピーを使わない場合は Direct Connect を選びます。
  4. まず PDFの手順書 を開いて確認します(更新手順の前提が書かれています)。
  5. 更新プログラムをダウンロードします(例:EMP6 v1.52 Update)。
Close up of the specific download link for 'EMP6 v1.52 Update'.
Selecting the correct file

手順3 — 「保存(Save)」を徹底する

ブラウザが「開く/保存」を聞いてきたら:

  • 開く(Open)は選ばない。
  • 保存(Save)を選ぶ。
  • 保存先は見失いにくい場所(例:"DesktopEmbroideryUpdate")にします。

手順4 — 展開して確認(触らない)

  1. ダウンロードしたフォルダを開きます。
  2. ZIPファイルを右クリックし、すべて展開 を実行します。
  3. 展開後のフォルダを開き、SPPRG.SAP のようなファイルを探します。
  4. ここで止めます。 ダブルクリックして開かないでください。
Windows Explorer folder showing the unzipped 'SPPRG.SAP' file.
File management

チェックポイント

  • 表示チェック: 拡張子が .SAP である(拡張子が見えない場合は「種類:SAPファイル」などの表示で確認)。
  • 容量チェック: 例では 1,707 KB 程度。0 KBに近い場合はダウンロード不良の可能性があります。

現場視点:本当に“ソフト更新”がボトルネック?

「更新すれば速くなるのでは」と期待されがちですが、ファーム更新は速度アップより不具合修正が中心 です。 もし困っているのが「生産が遅い」「段取りがしんどい」なら、原因はソフトではなく 物理段取り のことが多いです。

  • 例: 50枚以上のTシャツ連続で、枠締めがつらい/時間がかかる。
  • 対策: 更新ではなく、刺繍用 枠固定台 とマグネット枠の導入で段取り時間を削れます。
  • 考え方: ソフト更新に集中しすぎて、現場の生産性改善(段取り短縮)を見落とさない。

USBでミシンとPCを接続する

USB(Type A ⇔ Type B)の標準ケーブルを使います。一般的なプリンターで使う形状のケーブルです。

Hands plugging the USB cable into the laptop.
Connecting cables

手順5 — 物理接続

  1. まずUSBの平たい側(Type A)を PC に挿します。
  2. 四角い側(Type B)を、刺繍機の 背面右側 のUSBポートに挿します。
  3. 感触チェック: しっかり奥まで入っている感触があること。グラつくと転送失敗の原因になります。
Hands plugging the Type-B USB connector into the back of the embroidery machine.
Connecting machine

チェックポイント

  • 手触りチェック: ミシン側のコネクタを軽く引いても抜けそうにならない。
  • 音チェック: 後の工程でPCが認識した音が出る場合があります。PCの音量を確認しておきます。

更新モードに入る:ボタン操作(糸通し+電源)

旧型機は自動で更新を検出しないため、手動で「更新(メンテナンス)モード」に入れます。ここは手順どおりの操作が必要です。

Finger holding down the needle threader button while pressing the power button.
Booting into update mode

手順6 — 「糸通し(ニードルスレッダー)」起動

  1. ミシンの電源が OFF であることを確認します。
  2. 自動糸通し(Needle Threader) ボタンを探します(多くはスタート/ストップ付近の上側)。
  3. 片手でそのボタンを 押したまま にします。
  4. もう片手で 電源をON にします。
  5. 特別メニューが表示されるまで、ボタンを押したまま待ちます。

画面に緑色のボタンで Compact Flash/USB/Floppy Disk が出ればOKです。

The special update menu screen on the machine showing 'Compact Flash', 'USB', and 'Floppy Disk' buttons.
Selecting update source

チェックポイント

  • 表示チェック: 通常の縫製画面とは違うメニュー画面になっている。
  • 成功の目印: タッチ画面に「USB」が表示されている。

現場のコツ:作業者目線の「更新は手術」運用

業務用途では、更新作業は“止められない作業”として扱います。

  1. 作業面を空ける: 糸立て・ハサミ・コーンなどを画面周りから退避。
  2. 割り込み禁止: 作業中は触らない(人が多い現場ほど重要)。
  3. 記録: クライアント機の babylock 多針 刺繍ミシン を扱う場合、更新前後のバージョンを控えておくと後追いが楽です。

Windowsから更新ファイルを転送する

更新モード中の刺繍機は、PC側から見ると「リムーバブルディスク(外部ドライブ)」のように扱われます。

Computer screen showing the 'AutoPlay' popup recognizing 'Removable Disk'.
Device recognition

手順7 — USBを選んで認識させる

  1. ミシン側の画面で USB をタップします。
  2. PC側でデバイス認識の反応(音やポップアップ)が出ることがあります。

手順8 — 「送る(Send to)」で転送

  1. PCでエクスプローラーを開きます。
  2. 展開済みの SPPRG.SAP を探します。
  3. ファイルを 右クリック
  4. 送る(Send to) を選びます。
  5. リムーバブルディスク(=刺繍機)を選択します。
    • 補足:ファイルを「開く」操作はしません。ドラッグ&ドロップを使う場合も、転送先が刺繍機のドライブ直下であることを確認してください。
Context menu on PC showing 'Send to > Removable Disk'.
Transferring file
Machine screen displaying text 'USB downloading...'.
File transfer in progress

画面での進捗確認

  • 転送中: ミシン画面に 「USB downloading...」
  • 成功: 「USB download OK」 に変わります
Machine screen displaying 'USB download OK.' indicating success.
Update complete

手順9 — 再起動してバージョン確認

  1. ミシンの電源を OFF
  2. USBケーブルを外します。
  3. ボタンを押さずに、通常どおり ON
  4. 設定(Settings)1ページ目 を開きます。
  5. 表示チェック: バージョンが更新後の番号になっている(例:1.52)。
Hand removing the USB cable from the back of the machine.
Disconnection

作業チェックリスト(抜け漏れ防止)

  • 準備: 現状バージョンを控えた?
  • DL: ファイルは「開く」ではなく「保存」した?
  • 展開: ZIPを展開して.SAPが見えている?
  • ケーブル: Type B側がミシンに奥まで挿さっている?
  • 起動: 電源ONの“同時操作”で糸通しボタンを押し続けた?
  • モード: ミシン画面で「USB」を選んだ?
  • 転送: 「送る → リムーバブルディスク」を使った?
  • 結果: 「USB download OK」を確認した?
  • 確認: 再起動後、狙いのバージョンになっている?

準備(ファームに触る前に)

失敗の多くはコードではなく準備不足です。飛行機の離陸前チェックのつもりで整えます。

見落としがちな必需品

  • 確実なUSBケーブル: できれば状態の良いUSB 2.0 A-to-B(プリンター用)を使用。
  • PCの電源: 可能ならAC接続。転送中にスリープするとリスクが上がります。
  • メモ: バージョン控え用。

準備チェック

  • PCのバッテリーが十分、またはAC接続。
  • 作業周りに糸くず等がなく、ポート周辺が清潔。
  • 機種専用のPDF手順書を読んだ(EMP6とBMP系を混同しない)。
  • 安全: 起動時に可動部へ手を入れない。

注意: 機械安全。 縫っていなくても、電源投入時にヘッドが動く(初期化動作)ことがあります。針周りに手を入れたままONにしないでください。

段取り(同じ手順を繰り返せる形にする)

作業環境を整えると、焦りが減ってミスが減ります。

トラブル時の判断フロー

1. 公式の更新ページに自分の機種がある?

  • ある: 次へ。
  • ない: 無理に別機種のファイルを当てない。

2. 緑ボタンの更新メニューまで入れる?

  • 入れる: ボタン操作はOK。次へ。
  • 入れない: 電源OFF→押すタイミングを見直す。それでも不可ならボタン不良の可能性。

3. 更新モードで接続したとき、PCが反応する?

  • 反応する: 次へ。
  • 反応しない: USBポート変更/ケーブル交換を試す。

4. 「USB download OK」まで出る?

  • 出る: 成功。
  • 出ない: ファイル未展開、または機種違いの可能性を疑う。

段取りチェック

  • PCは安定した台に置く(ミシン上に不安定に置かない)。
  • 旧型機はサポート状況が変わることがあるため、必要に応じてメーカーのサポート窓口も確認する。
  • 納期直前など、焦るタイミングでは実施しない。

品質確認(本当に更新できたかの見極め)

「OK」と表示されても、最終確認は必須です。

品質確認1:バージョン番号

設定画面で番号が変わっていなければ、更新が反映されていません。転送手順(送る→リムーバブルディスク)を見直します。

品質確認2:操作感

メニュー遷移で表示崩れや反応不良がないか確認します。更新が正常なら、基本的には“違和感がない”のが理想です。

生産性の視点:次に効くのは枠張り

更新が終わっても日々の生産性が上がらない場合、ボトルネックは 枠張り のことが多いです。 旧型機でも、babylock マグネット刺繍枠 の導入は投資対効果が出やすい選択肢になり得ます。デリケート素材の 枠跡 を抑えつつ、繰り返し作業の段取りを短縮できます(ファーム更新では解決しない領域です)。

トラブルシューティング(症状 → 原因 → 対処)

症状 可能性が高い原因 すぐできる対処
ファイルをクリックするとWord/メモ帳等が開く ダウンロード時に「開く」を選んだ いったん削除して再DLし、必ず 保存 を選ぶ
ミシン側で「verup file not found」 ZIP未展開、または機種違いのファイル 展開を確認し、.SAPの存在と容量(0KBでない)を確認
接続してもPCが認識しない/ビープ音だけ ケーブル不良、USBポート相性 USBポート変更、別のA-to-Bケーブルで再試行
更新したのにバージョンが同じ もともと同じ版を入れていた 更新前の番号と比較し、必要な版か再確認
自分の機種の更新が見つからない サポート終了(EOL)の可能性 公式サポート案内を確認し、機種違いファイルは使わない

結果と次の一手

この手順どおりに進めれば、例のように 1.51 → 1.52 のような形で、更新の成否を“番号で”確認できる状態になります。

更新しても直らない場合は?

糸切れ・糸調子・生産の遅さを理由に更新した場合、原因が別にあることもあります。

  • 糸調子/糸切れ: 糸掛け経路や針の向きなど、基本点検を優先。
  • 枠跡: マグネット刺繍枠 babylock 用 の検討。
  • 段取りが遅い: 更新よりも、枠固定台や治具など“物理段取り”の改善が効きます。

注意: マグネットの安全。 マグネット刺繍枠は強力な磁力(ネオジム磁石)を使用します。ペースメーカー等の医療機器には近づけないでください。また、磁気記録媒体の近くに置かないでください。

まとめ: 旧型機でも、手順を標準化すれば更新作業は落ち着いて実行できます。ソフト状態を確認できたら、次は段取り(枠張り・治具・枠固定台)を整えて、現場の生産性を上げていきましょう。