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動画を見る:Make an Embroidery Holder for Ballcaps(Dennis)
キャップの正面刺繍、そしてサイド刺繍も“まっすぐ・しっかり”仕上げたい——そんな願いを、合板の自作ホルダーで叶えます。標準の刺繍枠にぴったり収まり、つばを押さえる可動クランプとサイド用の小型クランプを調整固定できる仕組み。ワークショップにある工具だけで、十分に再現可能です。

このガイドは、動画の全工程を日本語で丁寧に再構成。トレースからスクロールソーでの切り抜き、ベルトサンダーでのフィット出し、内側開口の設計と切断、クランプの穴位置決めと皿取り、組み付け、そして長く使うためのエポキシ固定まで——無駄なく進めるコツを現場目線で解説します。
• 学べること
- 刺繍枠に“ピッタリはまる”基台の作り方(トレース→切断→サンディング→再調整)
- 刺繍に干渉しない中央開口の正確なレイアウトと内側カットのテクニック
- つば用&サイド用クランプの設計と、ビス・ウィングナットでの調整式固定
- 裏面皿取りでビス頭を面一にし、ミシンベッドを傷めない仕上げ
- ネジ脱落を防ぐエポキシ運用と、失敗しない安全作業のポイント
はじめに:キャップ刺繍を“まっすぐ・しっかり”に 標準の刺繍枠だけでキャップを固定するのは難しく、汗止めやつばの反りが仇になります。ここで紹介するホルダーは、1/4インチ(約6mm)の合板を使い、刺繍枠にきつめに収まる“枠内ベース”を作る発想。中央に大きく開口を設け、つばとサイドを可動クランプで押さえれば、刺繍機のヘッドが近づきやすく、縫いにくい前面も安定します。
プロのコツ - “切り過ぎない”。ラインの外側を切り、サンダーで追い込んでフィットを出すのが鉄則です。

注意
- スクロールソー、ベルトサンダー、ドリルなどの電動工具は保護メガネを着用し、手元の固定を確実に。作業前には各工具のセットアップも確認しましょう。
道具と材料をそろえる 必要な工具は、刺繍枠、鉛筆、スクロールソー、ベルトサンダー、メジャー(テープメジャー)、フェンダーワッシャー、ドリル、皿取りビット。材料は1/4インチの合板、機械ねじ(8×3/4インチのオーバルヘッド)、ウィングナット(#8-32)、必要に応じてエポキシ。ブランドやミシンの機種は動画内で特定されていません(Brother系の機械での想定に触れていますが、具体モデルは不明)。
- 参考:既製の専用フープや補助フレームを検討する場合は、磁力式やスナップ式など選択肢があります。とはいえ本ガイドは木工で“手持ちの枠を活かす”アプローチです。既製品例の比較検討にあたり、磁気 刺繍枠の特性と使い分けを把握しておくと判断がしやすくなります。
基台を作る:トレース→切り抜き→フィット調整 1)枠の内側をトレース 刺繍枠の内寸を1/4インチ合板に鉛筆でなぞり、基台形状のガイド線を引きます。ここでは“きつめ”の収まりを狙うため、切断は線の外側を攻めるのがポイント。

2)スクロールソーで切り出し 曲線部は焦らず一定の送りで。内角やアールは後工程のサンディングで整える想定で、無理に小回りせず安全第一で進めます。

3)ベルトサンダーで整形 切り口の段差と荒れを取り、刺繍枠の内側に引っかかりなく入るよう、少しずつ当てては削り、面を均します。

4)試し合わせ→追加マーキング 枠に入れては外し、きつく当たる箇所に鉛筆で印を付けます。印の部分をサンダーで微調整し、縦横どちら向きにも“カタつきなく、滑らず”収まる状態へ。

クイックチェック
- 枠に入れて軽く振ってもズレないか?
- 四辺とも面一で隙間が偏っていないか?
- 角のバリが残っていないか?

5)最終フィット確認 動画では、何度かの調整を経て“完璧にフィット”する状態に。ここまでくれば、次の中央開口へ進めます。

中央開口を作る:計測・下穴・内側カット 中央開口は、刺繍ヘッドへのアクセス確保と、枠全体の剛性維持のバランスが肝心です。

1)寸法をレイアウト 端から1.5インチ、左右から各1インチ、反対側から6.25インチを基準に矩形をマーキング。結果として4.75インチ相当の開口が得られる配置を動画では採用しています(板厚は1/4インチ)。このマージンが、後で取り付けるクランプの効きにも影響します。キャップ 刺繍枠 for 刺繍ミシンの固定思想と同様に、“必要十分な開口+周囲の剛性確保”が基本です。

2)角のR取り フェンダーワッシャーを当て、角に半径を与えます。応力集中を避け、割れや欠けを減らせるうえ、仕上がりも美しくなります。

3)下穴→内側カット 内側にドリルで下穴を開け、スクロールソーの刃を通して内側の矩形を切り抜きます。刃を無理に曲げず、R部分は回しながら丁寧に。

プロのコツ
- 内側カット後の残縁は、指でなでて引っ掛かりがないことを確認。必要に応じて軽くサンディング。
クランプを作る:つば用&サイド用 1)つば用クランプ 中央開口から切り出した内側の“抜き板”を再利用し、つばを押さえるクランプに整形。スクロールソーで小さく切り回し、ベルトサンダーでエッジを滑らかに仕上げます。

2)サイド用クランプ 端材から小ぶりのラウンド形状を切り出し、サイド刺繍時に生地を支えるためのピボット式クランプに。基台の縁に沿わせて当たりを確認しながら、角を落として布を傷めない面取りにします。
- 参考:既製の補助具と比較するなら、brother キャップ 刺繍枠やsnap hoop monster for brotherの“装着再現性”は優秀です。自作品でも装着位置の再現性を高めるには、クランプの当たり面を平行に取り、締め付け時にズレないよう穴位置と余白のバランスを意識しましょう。
穴あけと皿取り、組み付け 1)穴位置決め つば用クランプは基台の端から約1インチ、左右からも約1インチの位置に2本のビスを通す前提でマーキング。サイド用クランプは一箇所のピボット穴を設け、回転できるようにします。

2)ドリル→皿取り 基台側に下穴を開け、裏面から皿取りビットでオーバルヘッドの機械ねじが面一になるまで座ぐり。これで刺繍機に載せても干渉しにくくなります。

3)組み付け 裏面から8×3/4インチの機械ねじを通し、表側でクランプをウィングナットで固定。サイドクランプは1本のねじで回転を許容し、布の厚みや形状に合わせて追従できるようにします。


クイックチェック
- ウィングナットで締め込んだ際、クランプは均等に当たっているか?
- 裏面のねじ頭は完全に面一か? 振れはないか?
- 取り付け・取り外しに指先だけで十分なトルクがかかるか?
最終固定と使い方のヒント ねじが抜け落ちると作業性が悪化するため、裏面のねじ頭にエポキシを“少量だけ”点付けし、恒久固定します。固まる前にねじ山へはみ出した樹脂は必ず拭き取りましょう。これで、ウィングナットを外してもボルトは残り、セットアップが格段に楽になります。

使い方のヒント
- つばはまず“平らに押さえる”こと。汗止めが浮くようなら、サイドクランプを軽く当てて浮きをコントロール。
- 刺繍位置は中央開口と針位置を合わせて微調整。刺繍デザインが基台に近すぎないかを都度確認します。
- 既製の磁力式補助具と異なり、本機構は機械的クランプで保持します。使い分けの観点では、brother 磁気 フレームのようなマグネット保持よりも“つばの反り戻し力”に強い一方、装着速度ではやや劣る場合があります。
トラブル対処とクイックチェック 症状:汗止めが針元に寄ってしまい、上部で十分に締まらない
- 対処:開口をもう少し大きく取り、刺繍ヘッドの逃げを増やす改善案が提案されています。クランプの当たり位置を前寄りにして、汗止めを逃がすのも有効です。
症状:クランプが偏って締まり、デザイン位置が木口に近づく
- 対処:穴位置の再マーキングと再ドリル。軽微であれば、ワッシャーで調整してウィングナットの当たりを水平に。
症状:ウィングナットが固く回る
- 対処:ねじの芯ずれ、皿取り不足、ねじ山のカエリを点検。無理に締めず、いったん分解して再面取り。
チェックリスト(毎回)
- 基台が刺繍枠内でガタつかないか
- ねじ頭は面一か(ミシン面を傷つけない)
- クランプ面はバリなし・布当たりは均一か
- 刺繍範囲内に木口が近すぎないか(開口余裕)
コメントから:よくある質問と製作者の回答
- 「使い方の動画は?」→ 製作者は“更新版で使用シーンを公開予定”と回答。使い方の実演は今後のアップデートに期待。
- 「実際うまくいく?」→ “とてもよく機能した”とのこと。初回動画では使用シーンを省いたため、改訂で補う意向です。
- 「販売してほしい」→ 現状は未販売。ただ“近いうちに販売予定”で、使い方動画に購入リンクを載せたいとの返答。
- 「装着写真は?」→ 現時点では未公開。撮影してサイトに掲載する計画があるとのこと。
- 「うちのキャップでは汗止めが避けられない」→ 中央開口を大きめにする拡張案を製作者が提案。寸法検討も可能とのこと。
- 「特定ミシンの帽子フープは売ってる?」→ “販売していない”との回答。自作ホルダーの活用を検討しましょう。
注意(安全)
- 電動工具の使用時は保護メガネを着用。材料固定を確実にし、刃に無理な負荷をかけないこと。
- エポキシは微量を厳守。ねじ山に付くとウィングナットの着脱が困難になります。
プロのコツ(仕上げの質を上げる)
- 裏面の皿取りは“ほんの少し深め”を意識して面一よりわずかに沈めると、ベッド面の擦り傷を防止。
- クランプ面の最終サンディングは細目で。布地の毛羽立ちやテカリを防げます。
- 何度でも再現装着したいなら、基台やクランプに薄い目印線を残し、同じ位置で締め込める基準を作ると効率UP。
参考:既製アクセサリーとの比較視点
- マグネット式の保持に興味があれば、磁気 刺繍枠 for embroideryやmighty hoops for brotherのレビュー軸(保持力/装着スピード/生地ダメージ)で自作との使い分けを検討。自作は“つばの曲がり矯正”や“サイドの押さえ”のチューニングが自由な点が強みです。
よくある質問(動画より) Q. どんな合板が良い? A. 1/4インチの合板が推奨。強度と加工性のバランスが良好。
Q. サイズ違いのキャップにも対応できる? A. ウィングナットで調整可能。つば厚やサイドの張りに合わせてクランプ位置を微調整できます。
Q. スクロールソーは必須? A. 曲線精度ではスクロールソーが優位。ジグソーでも可能ですが、特に内側カットは追加のサンディングと注意が必要です。
Q. ねじ頭にエポキシを使う理由は? A. ウィングナットを外してもボルトが脱落せず、組み直しが格段に楽になるためです。
まとめ:あなたのキャップを作品に “枠にピタッと収まる基台”と“必要十分な開口”、そして“調整式のクランプ”——この3点が揃えば、家庭用の刺繍機でもキャップの正面・サイド刺繍がグッと身近になります。動画の作者も、次回は使用シーンを盛り込むと明言。自作の自由度は、そのまま“仕上がりの追い込み”に直結します。あなたの使い方に合わせて寸法やクランプ形状を微調整し、ベストな治具に育てていきましょう。最後に、既製品の情報収集にはbrother 刺繍枠や磁気 刺繍枠 for brotherの互換・サイズ表も参考に。用途に応じて自作と既製を賢く使い分けるのが、刺繍上達の近道です。
おまけ:キーワードの道しるべ
- 自作派の研究にはmighty hoop brotherや磁気 刺繍枠 for brotherの特性比較がヒントに。保持力・素早さ・生地保護のトレードオフを理解して、あなたの現場に最適化しましょう。
