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動画を見る:Easy Floral Hand Embroidery Tutorial(チャンネル提供)
手刺繍を始めたい——その気持ちに、やさしく確かな道筋を示してくれるレッスンです。葉・茎・小花・大輪の花びら・花芯と、段階的に進めれば初心者でも上品なブーケが完成します。

このガイドでは、動画の進行に沿って要点を凝縮。DMCの色番号や6本取りの指定、針目の方向や重ね方など、作品の完成度を左右する勘所を丁寧に解説します。
学べること
- フィッシュボーンステッチで葉を立体的に埋める手順とコツ
- バックステッチで茎ラインを途切れなく描く方法
- レイジーデイジーで小花や蕾を素早くつくる基本
- ショート&ロングで大きな花びらをなめらかに塗る考え方
- フレンチノットで花芯・蕾に粒の表情を添える
はじめに:動画で学ぶフローラル刺繍 仕上がりイメージは楕円枠の中に咲く上品なブーケ。目標像が見えると、工程の意味が腹落ちします。材料は布、刺繍糸(DMC #734、#831、#B5200、#3852)、針、刺繍枠、はさみ。布の種類は動画内で明記されていませんが、中厚のリネンやコットンなら扱いやすいでしょう。
プロのコツ
- 図案はPDFを参照。はじめに全体構図を眺め、刺す順をイメージしておくと迷いません。
- 6本取りはボリュームが出る分、張りすぎに注意。ふくらみを残しつつ均一なテンションを保ちましょう。
準備:道具と下ごしらえ 布を刺繍枠にセットし、皺なくピンと張ります。図案は事前に布へ転写(動画では方法が明記されていません)。印刷サイズはコメントでもA4推奨の声があり、扱いやすいベースになります。
注意 - 転写ペンの種類は動画で指定がありません。消える布用ペンや熱で消えるタイプなど、自分の布に相性のよいものをテストしてから本番へ。

葉を埋めるフィッシュボーンステッチ DMC #734(6本取り)で葉を刺します。葉の基点に中央のまっすぐな芯を一本入れ、左右から交互に斜め針目を重ねていきます。重なりを少し持たせることで、葉脈から先端へ自然な埋めを作れます。

ステップ 1) 6本取りを針に通す。 2) 葉の根元から中央線を入れる。 3) 左右交互に斜めの針目を置き、中央で交差させる。 4) 輪郭まで隙間が出ないよう気持ち重ねる。 5) 図案中の全ての葉で繰り返す。
クイックチェック
- 葉形の外周まで糸が行き届いているか。
- 針目の重なりが滑らかで、段差や空きが目立たないか。
よくある失敗とリカバー
- 張りが不均一で波打つ→布の張りを整えつつ、指で軽く整形。以降は同じテンションで縫い進める。
- 輪郭に隙間→縁側に短い補助針目を追加して埋める。

茎ラインを美しく引くバックステッチ DMC #831(6本取り)で茎や枝を描きます。短い針目を連ね、前の針目の終点に戻る動きで途切れないラインを作るのがポイント。

ポイント
- 一針の長さを揃えると、植物の輪郭が清潔に映ります。
- カーブは針目を気持ち短めにして滑らかに。
クイックチェック
- 針目同士の接続が確実で、隙間がない。
- 直線/カーブともに一定のリズムで針目が続いている。

ミニ応用 - 細い枝分かれは、幹から枝の流れを意識して分岐の角度を一定に。図案の指示に沿って全体のネットワークを整えます。

小花づくりのレイジーデイジー 小さな花や蕾は、同じくDMC #831(6本取り)でループを作るレイジーデイジー。針を上げてループを描き、ループ先端を小さな留め針で押さえます。

コツ
- ループのサイズをそろえると花全体が整います。
- 留め針はそっと。強く押さえるとループがつぶれます。
配置の考え方 - 図案の小花位置に合わせ、茎の流れに沿う向きでループを置くと自然。蕾は小さめにしてメリハリを。

主役の花びら:ショート&ロングステッチ 大きな花はDMC #B5200(白・6本取り)でショート&ロング。花びらの外周から中心へ向かって短長の針目を交互に置き、境界を曖昧にして面をなめらかに埋めます。

進め方
- 外縁から内側へ。短い針目と長い針目を交互に。
- 針目の入り口をずらし、直線的な段差を作らない。
- 未充填部には短い補助針目で自然に継ぎ足す。
プロのコツ - 針目の方向は花びらの生え方に合わせて扇状に。光の流れを意識すると面が美しく見えます。

クイックチェック
- 花びら面に空きがないか。
- 短長の切り替えで段差が目立っていないか。
- 全体のテンションが揃っているか。

仕上げの立体感:フレンチノット DMC #3852(黄・6本取り)で花芯と小さな蕾の粒を作ります。針を抜いた根元付近で2〜3回巻き、出た穴と同じ穴に戻らないようごく近くへ落として引き締めます。

コツ - ノットの大きさは巻き数で調整。均一に巻き、糸を引くときは布面に対してやや斜めにテンションをかけると安定します。

配置
- 大輪の中心に1つ、もしくは複数を密に置いてボリュームを出す。
- 小枝の先端に点在させて蕾表現に。

クイックチェック
- ノットが布をすり抜けていないか。
- 大きさと密度が揃っているか。必要に応じて追加・間引きを。

クイックチェック:均一さと張りを整える
- 6本取りは存在感が出る反面、布の歪みを招きがち。枠の張りをときどき確認し、必要なら緩めて布目を整えます。
- 葉・茎・花の白・黄の色対比がはっきりしているか。遠目で全体を見て配置のバランスを調整。
トラブルシューティング
- 葉の隙間が気になる:縁に向けて短い補助針目で埋める。中心側は重ねを増やして葉脈の流れを繋ぐ。
- バックステッチに隙間:前の針目の終点に必ず戻る。微小なズレは一目短くして補修。
- レイジーデイジーが緩む:留め針目をほんの少しだけ強めに。ループを指で整えてから留める。
- ショート&ロングが段差に:長さのランダム性を増やし、境界線上で針目の入口をずらす。
- フレンチノットが抜ける:戻し穴は同じ穴を避け、糸を水平に引き気味にして締める。
注意
- 動画では布の種類や所要時間は明示されていません。素材ごとの相性は小片でテストしてから本番に進みましょう。
コメントから:図案の場所・紙サイズ・糸本数
- 図案の場所:説明欄のリンクに無料PDF(視聴者の返信より)。
- 印刷サイズ:A4でOKとのやり取りあり。サイズ調整は作品枠に合わせて。
- 糸本数:全工程で6本取り(動画明記)。
- 転写ペン:種類の明記なし。消える布用ペンなど、試し書き推奨。
プロのコツ
- はじめに“葉→茎→小花→大花→花芯”の順で全体設計。各段階の完成イメージを置くことで迷わず進めます。
- 仕上げの糸始末は裏面でまとめ、玉止めが重なりすぎないように。厚みの偏りは表面に響きます。
応用と道具の余談(手刺繍派にも役立つ視点)
- 今回は手刺繍の枠で十分ですが、機械刺繍に関心があるなら、布の固定方法の違いを知っておくと応用の幅が広がります。例えば、強力な磁力で挟む磁気 刺繍枠は厚手素材でも枠張りがしやすい道具として知られています。
- 同様に、着脱が素早いsnap hoop monsterや、対応機の多さで知られるmighty hoopsといった製品群は、量産や刺し直しの効率向上に寄与します。
- もし“これから機械刺繍も試してみたい”という初心者なら、まずは扱いやすい入門機(刺繍ミシン for beginners)の付属枠と薄手生地から始めるのがおすすめ。固定のコツは手刺繍にも共通します。
- メーカー別の枠規格にも違いがあります。例えば家庭機の代表例としてbrother 刺繍枠に合わせたアクセサリーや、海外で流通するbernina 磁気 刺繍枠のような互換品も話題です。
- 枠張りの作業効率を上げたい時は、位置決め治具として知られるhoopmasterの考え方(一定位置に素早く配置する工夫)を手刺繍の下準備にも応用できます。
完成と次の一手 白い花びらに黄色の花芯がきらりと立つ——このコントラストが作品をエレガントにまとめます。最後に全体を遠目で見て、密度や向きをわずかに整えれば完成です。慣れてきたら、白の花びらにオフホワイトの短い針目を混ぜ、微妙な陰影を作るのも素敵。次は色違いのブーケや、葉の形を変えたアレンジでレパートリーを広げてみましょう。
よくある質問(抜粋) Q. どんな布が向いていますか? A. 中厚のリネンまたはコットンが扱いやすく、各ステッチの見栄えも安定します(動画では生地種の明記はありません)。
Q. 繊細に見せたい場合は? A. 本数を2〜3本取りに減らすと軽やかに。面を埋めるには目数を増やしてカバーします。
Q. 布のつれ(波打ち)を防ぐには? A. 枠の張りは“ぴん”と“締めすぎ”の中間を意識。糸のテンションも常に一定に保ちます。
