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動画を見る:Easy Peasy Knit Hat - Good Housekeeping Stitch Club(Good Housekeeping)
寒い朝でもふわっとかぶれて、伸びがよくて、失敗してもやり直せる。そんな“初心者の味方”が、このリブ編みのカラー・ブロック帽です。作り目70目、表目と裏目だけで、クラウンの減らし目までスムーズにゴール。さあ、最初の一目から完成までを、一緒に駆け抜けましょう。

■学べること
- リブ編み(表2・裏2)の基本と、7インチ+4インチの色ブロック構成
- 新色のつなぎ方とテンションの保ち方
- クラウンの減らし目(p2tog/k2tog)の流れと数え方
- トップの絞り、後ろの綴じはぎ、ブリムの縫い方、糸始末
はじめに:Easy Peasy リブ編み帽子の魅力 このプロジェクトは、動画のとおり「Easy Peasy」の名にふさわしく、表目・裏目の反復だけでスタイリッシュなビーニーが完成します。伸縮性の高いリブは“ワンサイズ・フィット・モスト”でかぶりやすく、色の入れ替えで印象も自在。キットなら2玉で色違いを2個作れるのもうれしいポイントです。
準備:道具と材料をそろえる 必要なものはシンプルです。毛糸(2色)、編み針(US7)、はさみ(またはスニップ)、とじ針。動画ではPatons Classic Wool Worsted(Yarnspirations)系のプロジェクトで、針はUS7が示されています(リンク先では糸の推奨針US8の表記あり)。どちらにしても、まずは手のきつさ・ゆるさと相談しつつ編み始めてみましょう。

注意:ゲージについて 動画内では具体的なゲージ値は提示されていません。サイズ感が心配なら、小さなスワッチで表2・裏2のリブを数段編んで伸びを確認すると安心です。リブはよく伸びるので、着用時のフィットは比較的寛容です。
スタート:スリップノットと作り目70目 1) スリップノットを作って針にかけます。

2) バックワードループ法で作り目を70目に。強く締めすぎないのがコツ。作り目がきついと、最初の段で針が通らず苦戦します。

3) 70目そろったら、いよいよリブ編みへ。
プロのコツ
- 作り目は、糸が針の上で軽く動く程度の“ゆとり”を残して。
- 段の最後に無理にテンションを引きすぎない。端がつれると綴じはぎで合わせづらくなります。
基本マスター:裏目・表目とリブ編み リブの土台は裏2・表2(動画の説明に従い、最初は裏で入ります)。 - 裏目:右から左へ針を前側から差し、糸をかけて引き抜きます。

- 表目:左から右へ針を前から後ろへ差し、糸をかけて引き抜きます。

リズムの作り方(2段リピート) 視聴者のコメント補足が実践的です。1段目は「裏2・表2」で進み、次の段は「表2・裏2」と順番を入れ替えます。この2段を繰り返すと、美しいリブが立ち上がります。1段目を裏で終えたなら、次段は表で始める、と覚えましょう。こうして最初の色(グリーン)を7インチまで育てます。
クイックチェック
- 端目は緩みすぎていませんか?
- リブの畝はまっすぐ立っていますか?
- ファブリックの長さが7インチに達したら次へ。

色を切り替える:2色ブロックの作り方 7インチに達したら、2色目(ライラック)を導入します。段の冒頭で新色をそのまま編み始めてOK。必ず“作業糸(ワーキングヤーン)”を持ち、タイル(余り端)と間違えないように。旧色は短く残してカットし、2本のタイルをゆるく結んでおくとテンションが安定します。

編み進めは、引き続きリブ(2段リピート)。2色目は約4インチまで。その後はクラウンの減らし目に入ります。
注意:色替え直後の緩み 色の接合部が緩むと、縦のラインが乱れます。仮結びで固定し、数段編んでからタイルを整えると安心です。
トップ成形:減らし目でクラウンを整える ここからが形づくりの見せ場。動画の手順に忠実に行きましょう。
- 第1回減らし(p2tog):
「表2、裏2一度に(purl two together)」のサイクルで1段を通します。終了目数は53目。

- 交互の段:
裏2・表1、次段は表2・裏1を交互に4段。ここはペースキーパー(段数マーカー)を活用すると迷いません。
- 第2回減らし(k2tog+裏1):
「表2一度に(knit two together)、裏1」の繰り返しで進め、段の最後は表2で終えます。終了目数は36目。

- 最終の大幅減らし:
全目をk2togで減らし、18目に。

- ラスト1段(裏):
残り18目をすべて裏で編み、内側(裏面)を明確にします。

プロのコツ
- 減らし目は“針先の向き”と“糸の位置(前/後ろ)”が命。癖がつくまで声出しで確認を。
- 目数チェックは各段の終わりに。53 → 36 → 18という節目を必ず数える。
仕上げ:トップを絞る・後ろを綴じる・ブリムを縫う トップの絞り 糸玉から十分な長さのタイルを引き出してカットし、とじ針に通します。編み針に残る18目へ順にくぐらせて目を移動し、キュッと引いてトップを閉じます。

後ろを綴じる(ジグザグ・シーム) 表側(きれい目)を上にして平らに置き、両端の“棒(バー)”を拾いながら、左右を交互にすくうイメージでジグザグに縫い合わせます。糸を適度に引き、外側の縫い目を極力目立たせないのが狙い。

ブリムを折って縫う(約3インチ) 残り3インチ手前でブリムを外側に折り返し、そのままジグザグで綴じ進めます。こうすると、ブリムを折ったときに縫い目が外に出ず、すっきりした見た目に。

糸始末と最終チェック 色替えのタイルや仕上げのタイルは、とじ針で“内側の縫い代”にジグザグで潜らせ、戻って重ねてからカット。引きすぎて表側へ突き抜けないように注意します。
仕上がりの確認
- 外側に糸端は見えていませんか?
- シームはフラットで、色の切り替え位置が揃っていますか?
- ブリムを返した外観はクリーン?
最後にかぶって伸び感を確認しましょう。リブは時間とともに馴染み、適度に広がります。
クイックチェック
- 7インチ(1色目)+4インチ(2色目)で合計約11インチ編めていますか?
- 第1減らし後は53目、第2減らし後は36目、最後の大減らし後は18目になっていますか?
- 最終段は“裏で18目”を忘れていませんか?
トラブルシューティング
- リブがうまく立たない:
2段リピート(Row1: 裏2・表2/Row2: 表2・裏2)になっているか再確認。段頭での入り方を間違えると畝が崩れます。
- 締めが強すぎて編みにくい:
作り目をやり直すか、針を半号〜1号上げる。動画ではUS7使用ですが、手が強い方は上げても構いません(ゲージは動画では非提示)。
- 色替え部分がゆるむ:
旧色を短く残してカットし、新旧のタイルを仮結びしてテンションを保持。数段後に解いて整えます。
- 減らし段で目数が合わない:
直近の段を戻って、p2tog/k2togの位置と回数を確認。段末の「最後の2目はそのまま表編み」を忘れやすいので注意。
コメントから:よくある質問に回答
- 針サイズとゲージは?:動画はUS7針。リンク先の糸推奨はUS8表記もあります。ゲージ値は動画では示されません。手のきつさに応じて調整を。
- 大人サイズ?:リブの伸縮性が高く「ワンサイズ・フィット・モスト」との回答がありました。
- 2段目は何から始める?:1段目が裏2・表2なら、2段目は表2・裏2でスタート。以降は“裏で終えたら次段は表で入る”のが基本。
- 子どもサイズへの調整は?:動画では未言及。目数・段数の具体値は提示されていません。試作スワッチで伸びを確認のうえ、作り目を等比で調整するのが安全です。
- 糸・針の互換:動画はウーステッド系プロジェクト。手が緩い場合は針を小さく、きつい場合は大きく。見た目と伸びで最終判断を。
プロのコツ(総まとめ)
- リブは“入り方”が全て。段の頭を声に出して確認(例:きょうは表2で入る)。
- 減らしの最中も畝の見た目を意識。糸位置の前後切り替えを丁寧に。
- 綴じはぎはバーを“左右交互に拾う”ジグザグで。引き具合は“消える一歩手前”。
- ブリムは先に折ってから縫う。外観の縫い目ゼロを目指して。
完成と次の一歩 完成おめでとうございます。色の入れ替えだけで2本目は印象一変。動画のようにポンポンを足してもかわいい。さらに、ビーニーにワンポイント刺繍を加えたい方は、縫製後に内側へ補強布を当ててから行うと安定します。例えば、刺繍用の磁気フレームを使うなら、帽子の伸びを殺さない支持方法を選ぶのがコツです。手元に対応機があれば、brother 磁気 刺繍枠や磁気 刺繍枠 for embroideryのようなツールで固定すると作業が速く、hoopmaster station kitのようなステーションは位置決めにも便利。対応ブランドを選ぶなら、磁気 刺繍枠 for berninaやjanome 磁気 刺繍枠、業務機ではtajima 磁気 刺繍枠など、機種に合わせたセレクションを検討してみてください。無理に引っ張らず、布の自然な伸びを保つのが美仕上げの鍵です。
おわりに この帽子は“ほどよい達成感”と“毎日使える実用性”の絶妙バランス。動画と無料パターンを併用しつつ、本ガイドのチェックポイントで迷いどころを先回りすれば、初心者でも安心して完走できます。次は配色を変えて2本目、あるいは残り糸でポンポンづくりに挑戦してみませんか?
