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「動画を見る:How to Draw Stitch from Lilo & Stitch(NicPro)」
リロ&スティッチのステッチを、紙と鉛筆だけで本格ポートレートに。やることはシンプル、でも仕上がりはグッと立体的に。ガイドライン、顔の配置、耳のシェイプから、口・歯・舌の描写、そしてコントラストとシェーディングまで、動画の流れを日本語で整理してお届けします。
・今回のレッスンは紙と鉛筆(0.7mmシャープ、2B芯)でOK。 ・ガイドラインでバランスを取り、円(頭)から構築。 ・顔の各パーツ→耳→クリーンアップ→陰影で完成度を高めます。
学べること
- ガイドラインで左右対称を保つ描き始めの作法
- 頭部の大円から顔パーツを配置するブロックアウト
- 眉・鼻・目・口・牙・舌・耳のディテール調整
- 線の強弱とシェーディングで立体感を付与する方法
- 初心者がつまずきやすいポイントの回避法
用意する道具と紙 動画では、0.7mmのメカニカルペンシルに2Bグラファイト芯を使用しています。紙は一般的なドローイング用で問題ありません。詳細な用具リストは動画の説明欄に記載と説明があり、購入先そのものは明記されていません。

プロのコツ
- 芯は柔らかめ(2B)を使うと、線の強弱とシェーディングが両立しやすい。
- スケッチの序盤では筆圧を極力弱く。消しやすさが正義です。

注意
- ガイドラインを濃く描きすぎると後で消し跡が残ります。常に“薄く”を意識しましょう。
クイックチェック
- 鉛筆:0.7mmメカニカル+2B芯
- 消しゴム:通常の消しゴムでOK(練り消しがあるとさらに安心)
ステッチの基本構造をつくる まず、ページ中央に縦のガイドラインを薄く1本。次に、その中央を横切る水平ラインを引いて、バランスを取る十字を作ります。これが全ての基準。動画でも最初にこの2線から始まり、以降の配置をすべてここに合わせています。

続いて、頭の大きな円(厳密には滑らかな円形)を構築します。中心点から上・下・左・右へ同じ距離をマーキングし、その点同士を滑らかに結んで輪郭を形成。円の完璧さより、サイズと中央の位置が正しいことが重要です。

プロのコツ
- 円が歪んでも気にしすぎない。中心に収まり、顔のパーツを入れられる広さがあれば十分。
- 左右対称は“中央線との距離”で管理しましょう。
クイックチェック
- 十字ガイドは用紙の端近くまで伸ばすと位置合わせが楽です。
顔のパーツと耳をブロックアウト 口の上縁になるカーブを、頭円の中に軽く描きます。次にその上、中央に大きな鼻の円(楕円)をラフに。鼻の両側に沿わせるように大きな目を配置し、目の内側ラインと小さなハイライト円も忘れずに。あご側は、頭の下半分に沿うように下顎のラインを薄く引きます。

ここまでで「顔の位置関係」が見えてきます。目の内側から外側へ回り込むようなラインで、ステッチの印象的な目を確保。鼻は大きく、しかし上下の余白(口・額に向けた空間)を残すのがポイント。

プロのコツ
- ハイライトの小円は、最後まで白として残す前提で、最初から確保しておきます。
- 目は“鼻に寄り添って外へ広がる”イメージにすると、キャラクターらしい表情に近づきます。

耳のブロックアウトに入ります。目の外側から上へ縦ガイドを立て、頂点の目印に小さな円を打って高さを確定。そこから外へ反り、下へ戻る伸びやかな耳の外形を、左右で鏡写しに取ります。耳の根元は側頭部から自然につながるように。

耳のひとつを先にフルアウトラインで描いて頭部と接続。もう一方も高さとカーブを見比べながら合わせます。最初はやや大きめに取り、後で調整する余地を残しておくとスムーズです。

注意
- 耳の左右差が起きやすいので、縦ガイドと頂点マークで揃えてから外形を取ること。
ディテールを整える ガイドやラフの重複線をいったん消して、クリーンな土台に整えます。ここで消しすぎないことが肝心。主要アウトラインは残し、補助線のみを消去。

鼻は上縁をトレースしてから、下側を軽く絞るように“つまみ”を作り、先端を丸めます。左右にハーフオーバルで小鼻(鼻孔)を追加。目まわりは輪郭を整え、上まぶたにゆるい折り返しの“ふち”を追加します。額には数本の短い毛束を、右上がりで軽やかに。

プロのコツ
- 目の上の折り線は“描きすぎない”が基本。ほんのり影が出る程度の線で十分です。
- 鼻の“つまみ”は下側から上へ向かう流れを意識すると立体感が出ます。
次に口。両端をわずかに持ち上げるカーブで表情づくり。上唇のラインを基準に、左右に大きな牙を追加し、根元は少し太く。内側には小さめの牙を半楕円で、下側にも小歯を段差をつけて配置。舌は中央に折り返しラインを入れて柔らかさを演出します。

耳は外縁のカーブを滑らかに整え、先端は丸みを持たせつつ、上側に小さな切り欠きを。内耳には上から流れて頬側へ折れる“内側のひだ”を1本通します。反対側の耳も同様に、外形→切り欠き→内ひだの順に。

注意
- 歯を均一にしない。大・小、長・短の微妙な差で“生え方の自然さ”が出ます。
コントラストとシェーディングで深みを出す いよいよ線の強弱と陰影。まず鼻のアウトラインの下側を太くし、鼻孔を濃く。鼻の面には中間トーンをうっすら入れて量感を作ります。眉(目の上の厚み)は上辺を太らせ、内側へ向けて徐々に細く。瞳はハイライトを避けて周囲を濃く落とし、輝きを活かします。

口の下辺は“重さ”が溜まるので線を太く。左右端へ向けて自然に細く逃がすと、笑い口の厚みが生きてきます。歯は上辺・下辺にふち影を置くように線を太らせ、口腔の奥はしっかり暗く。舌はごく薄く面を乗せる程度で十分。ここまでで立体感が一段と増します。

プロのコツ
- “下辺ほど太く”を原則に、影を想像しながら線を育てる。
- 瞳はハイライトの白を“島”として残す。塗りつぶすと一気に生命感が落ちます。
クイックチェック
- 鼻:下辺が太く、中間トーンあり
- 眉:外側太め→内側でテーパー
- 口:下辺太い、奥は濃く、舌は薄く
最終仕上げとサイン 全体のシャドウとハイライトの“押し引き”を微調整。必要なら消しゴムで明るさを戻し、視線の集まる鼻・目・口にコントラストを寄せます。最後にサインを添えて完成です。

コメントから
- 進行が速いという声:再生速度を下げる、一時停止・巻き戻しを活用。各セクション末のクイックチェックも目安に。
- シャープペンの種類:動画では0.7mmメカニカル+2B芯を使用。ブランドは文脈上NicProに触れていますが、購入先は明示されていません。
- Sharpieでの描画:ジュニアチャンネルでのSharpieチュートリアル案内があり、最近はSharpieを用いない旨の返信も。
- 学習者の工夫:ガイドラインの距離を指で測るなど、シンプルな“物差し”を活用するのは有効です。
トラブルシューティング
- 円がいびつ:中心から等距離のマークを増やし、短い弧で繋いで滑らかに修正。
- 左右非対称:中央線から両目・耳の“距離”を見直す。縦ガイドを活用。
- 目が硬い:上まぶたの折り線を薄く足すと柔らかい印象に。
- 歯が平板:上縁・下縁に太さの差をつけ、奥歯ほど暗く。
小さな練習課題(5分)
- 線の強弱ドリル:同じカーブを“上細・下太”で3本。
- ハイライト練習:黒丸の中に白丸を残す瞳を3パターン。
- 耳の外形:左右対称の耳カーブを短いストロークで2セット。
プロのコツ(応用) 紙面の“重心”を意識します。鼻・目・口にコントラストを集め、耳は中間トーンに抑えると視線誘導が自然に決まります。また、口の奥は“暗の最大値”として扱うと、前景の歯・舌が引き立ちます。
注意(安全・運用) 長時間の描画は手首・肩に負担がかかることがあります。20分ごとに短いストレッチを。消しゴムは紙を擦りすぎず、軽いタップで。
参考比較(用具・道具の世界) ペンシルと紙という最小限の構成で仕上げまで到達できるのが本レッスンの魅力です。一方、クラフトの世界では固定・位置決めの安定が品質を上げるのは共通。例えば、布地の固定に役立つ磁気 刺繍枠や、素早いセットアップで知られるmighty hoopといった“土台の精度”は、ドローイングにおけるガイドラインの精度と同じ役割を果たします。
道具メモ(興味がある人向け) ブランド別に“固定・位置合わせ”の発想は様々です。例えばbrother 磁気 刺繍枠やbernina 磁気 刺繍枠のように機種対応で選ぶ場面がありますし、強力な保持力で知られるsnap hoop monsterは、作業の再現性という点でガイドの役目を果たしてくれます。さらに、アクセサリー分野ではdime 磁気 刺繍枠やbabylock 磁気 刺繍枠のようにプラットフォームに合わせた選び方が一般的。絵の世界でも“基準づくり”が仕上がりを左右する点は同じです。
仕上げのチェックリスト(総まとめ)
- ガイドラインは薄く、構造は明快に
- 顔のパーツは“鼻基準”で左右へ展開
- 耳はガイドで高さを揃え、切り欠きと内ひだで奥行き
- 線の強弱は“下太・上細”、目と口にコントラスト集中
- ハイライトは最後まで守る
- 奥(口腔)は暗く、手前(歯・舌)は輪郭を立てる
最後に 動画でも述べられる通り、終盤は影とコントラストの微調整で締めます。仕上げにサインを入れることで作品としての完結感が生まれます。毎日の練習が最短の上達。今日のステッチを描いたら、次は別アングルで挑戦してみましょう。
