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シャーリングとは?なぜ取り入れる?
シャーリングは、ボビン側にシャーリング用の弾性糸、上糸に通常のポリエステル糸を使い、直線縫いで列を重ねていくことで生地がギャザー状に縮み、フィット感と可動性を生む技法です。

昨年の春夏に特に流行し、身頃全面や背面パネル、袖口など、多彩な箇所で使われました。背面パネルに取り入れれば、ファスナーやダーツ無しで着脱しやすく、袖口ならバルーンスリーブの柔らかなふくらみが作れます。

プロのコツ
- 上糸は普段通りのポリエステル糸。色は表に見えるため生地色に合わせる。
- ボビン側にだけ弾性糸を使用。これが生地を引き寄せる原動力です。

注意
- 動画ではテンション調整は不要との経験談。ただし機種・生地により差があるため、必ず端切れでテストしてください。
ミシン準備:手巻きボビンとボビン装着の要点
手巻きボビンのテンション
シャーリング用弾性糸は、必ず手でボビンに巻きます。ポイントは「巻き重なりが平らに座る、ほんのり張った状態」。巻きすぎの強テンションは不調の原因、緩すぎは収縮不足に。

目安として、幅55インチの生地に6列でボビン1個程度。身頃(約11インチ/38列)ではボビン8個ほど使った実例が紹介されています。プロジェクトにより変動あり。

クイックチェック
- ボビンの巻き面は段差なく平坦か?
- 指で軽く触れて、無理なく滑る張り感か?
コメントから
- ある視聴者は、特定機種で「やや強め」に巻いた方が収縮したという体験を共有。制御は機種依存の側面があり、テストで最適域を見つけるのが近道です。
ドロップイン(上面)ボビンの装着
ボビンケースを開け、弾性糸ボビンを通常通り落とし込みます。糸端を軽く張り、テンションの隙間を回して上へ導くのがコツ。最後に上糸でボビン糸を引き上げて準備完了。


前面装着ボビンの装着
ボビンケースを取り出し、弾性糸のテールが左に下がる“P”の向きで装填。テンション溝に確実に通してから再装着し、上糸でボビン糸を引き上げます。



注意
- ボビンの向きとテンション経路は最重要。機種ごとの図解に従い、糸がきちんとテンション経路に収まっているか確認しましょう。
クイックチェック
- 上糸を上下させて、ボビン糸がプレート上にスムーズに引き出されるか。
手順ガイド:最初の1列から連続ステッチまで
上端の始末と縫い目長さの設定
シャーリング前に、身頃やスカートの上端は先に始末しておきます(後からだと難度が上がるため)。縫い目は直線、長さは3.5〜4の長めを推奨。テンションはまず触らずにテストから始めるのが安全策です。

最初の1列は、開始位置で2〜3回の返し縫い。弾性糸が着用中に抜けないよう最初の固定が要です。

ピボット法で連続して縫う
1列目の終わりで縫い代(例:5/8インチ)に入り、針を下げたまま生地をピボット。縫い代上を数針進めて再びピボットし、2列目へ。こうすれば毎列の糸切りや返し縫いが不要で、1本の連続糸で安定感が増します。

列幅は押さえ金の縁をガイドにするのが簡単で正確。必要ならチョークでガイドラインを描いてもOK。

プロのコツ
- 列間の均一性は見栄えに直結。縫い速度を落としてでもピボット周りを丁寧に。
注意
- 途中でボビンが切れたら、既縫い目に1〜2インチ重ね縫いして再開すると、着用中に弾性糸が引き抜けにくくなります。
成功のための5つのヒント
- まずテスト(Tip 1)
端切れで、実際に使う生地に近い条件でテスト。縫い目長さ、巻きテンション、ボビン経路の確認をまとめて行えます。
- ストラップレスにはゴム通しを併用(Tip 2)
シャーリングだけで全荷重を支える服(ストラップレスの身頃やスカート)には、上端にゴム通し用チャネルを用意し、1/4〜3/4インチ幅の平ゴムを通すと安定。着崩れ防止に有効です。
- ボビン切れは重ね縫いで補強(Tip 3)
列途中でボビンが尽きたら、前の縫い目に1〜2インチ重ね縫いして確実に固定。解けやすい箇所を作らない運用が要。
- フレンチシームで端を包む(Tip 4)
フレンチシームは弾性糸の端を二重に包み、長期使用での抜け落ちを抑制。縫い代5/8インチなら「裏同士で1/4→折って表同士で3/8」の二段で合計5/8に仕上がります。
- 完璧主義を手放す(Tip 5)
裏側の弾性糸が多少“ぐにゃり”でも、表のギャザーが整えば美しく見えます。まずは気楽に、前へ進むこと。

クイックチェック
- 最初の1列で返し縫いできたか?
- 4〜5列縫った時点で収縮の具合を確認。必要に応じてボビン巻きテンションや縫い目長さを微調整。
仕上がりを長持ちさせる工夫とマインドセット
- 縫い代の設計:フレンチシームで弾性糸端が露出しないように。長期の引っ張りに耐えやすくなります。
- 上端の設計:ストラップレスはゴム通し併用で“落ちにくい”安心感を。
- 行程順:上端の処理→シャーリング→必要に応じてゴムを通す、の順がスムーズ。
コメントから
- 「上糸は普通糸、ボビンのみ弾性糸」という基本に救われたという声が多数。ミシン初心者でも再現性の高いアプローチです。
- ボビンの向きは“P”を合言葉に。機種ごとの図解を確認し、テンション経路を外さないことが安定への近道。
注意
- 一部の機種や個体差で、手巻き時に少し強めのテンションが功を奏した例も。あくまでテストで裏取りを。
よくある質問とコメントからの学び
Q. 上糸もゴム? A. いいえ。上糸は通常のポリエステルなどの一般糸、ボビンに弾性糸。
Q. 縫い目長さは? A. 3.5〜4の長めが目安(まずはテンションは触らずテスト)。
Q. フレンチシームはいつ? A. 縫い代の中で弾性糸端を二重に包めるよう、工程設計を。例として「裏1/4→表3/8」で合計5/8に。
Q. ストラップレスの上端は? A. ゴム通し用チャネルをあらかじめ用意し、仕上げ後に平ゴムを試着しながら調整して通すとよい。
Q. うまく縮まない/表に弾性糸が出る A. 4〜5列縫ってスチームを当ててから判断。ダメなら手巻きテンションを見直し、ボビン経路が正しいか再確認。表に弾性糸が出る場合は上糸テンションを下げる、または縫い目長さを調整。
プロのコツ
- 連続ステッチ(ピボット法)は、返し縫い・糸切りの頻度を減らし、弾性糸の抜けを防ぐのに有効。
次の一歩
- 端切れで「縫い目3.5/4」「手巻きテンション違い」を並列テスト。
- 身頃全体・背面パネル・袖口など、用途別に列間隔や列数を試す。
- ストラップレスは上端のゴム通し併用で安定感をアップ。
編集部メモ(関連検索トピックの例)
- 刺繍やアップリケを組み合わせたい読者から寄せられるキーワード例を挙げておきます。スタイリングの幅を広げたいときの調べ物の目安にどうぞ。
- janome 刺繍ミシン
- husqvarna 刺繍枠
- magnetic フレーム
- dime 磁気 刺繍枠
- bernina 磁気 刺繍枠
注意
- この記事は動画およびコメントの内容に基づいて構成しています。機種・生地・糸により最適解は変わるため、テストのうえ自己判断で調整してください。
