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「動画を見る:How to Wind a Bobbin | Step by Step for Beginners(The Sweetest Stitch)」
はじめてのソーイングで最大の関門は、実はボビン。下糸が整うと、縫い目は一気に安定します。この記事では、トップロード式ミシンを例に、動画の流れに沿って「巻く・切る・入れる」を迷いなく進めるための要点だけを丁寧に言葉にします。

何度も失敗してきた人も大丈夫。ボビンは仕組みがわかれば、1度の操作でスムーズに決まります。あなたの“最初の一巻き”を、今日で確実にしましょう。
■この記事で学べること
- ボビンの役割と、上糸(スプール)との違い
- ボビンの正しい巻き方(テンションノブの使い方、巻き始めの糸処理)
- トップロード式ミシンへの入れ方と“Pの向き”の理由
- 仕上がりチェックと、ありがちな失敗の見分け方
はじめに:動画で学ぶこと 動画の講師は The Sweetest Stitch のJayden。初心者に向けて、ボビンの基礎と実操作をステップごとに紹介しています。内容は「ボビンとは」「巻く準備」「巻く」「取り外す」「トップロード式に入れる」「フタを閉める」の順。この記事では、映像で見えた要点を日本語で整理し、最短ルートで再現できるよう補助線を引きます。
ボビンを理解する ボビンは、両サイドに輪(フランジ)と穴がある小さな円筒。ここに下糸が巻かれ、縫い目の下側をつくります。

一方、スプール(上糸)は上側の縫い目をつくる役割。上糸と下糸が噛み合って、1本の縫い目になります。

ミシンには複数の空ボビンが付属していることが多く、色替えや作業切り替えに便利。素材は金属・プラスチック・木製など(動画では金属ボビンを使用)。新品の家庭用では小型のプラスチックが一般的です。

注意
- 機種ごとに推奨ボビンの形状・素材が異なる場合があります。手持ちミシンの取説に沿ってください。
- 前面装着(フロントロード)タイプの機種は、入れ方が異なります。この記事の実演はトップロード式です。
手順で学ぶ:ボビンを巻く この章では、動画のステップ2〜4に沿って、巻き準備から取り外しまでをまとめます。
- 準備:スプールをセットする
使いたい色の糸スプールをスプールピンに差し込み、キャップで固定します。しっかり奥まで押し込むのがポイント。

プロのコツ
- キャップはスプール端面より少し大きいサイズを選ぶと、糸が引っかかりにくく巻きが安定します。
- 糸をテンションノブへ回す
スプールから糸を少し引き出し、ミシン上面の小さなノブ(ボビン巻きテンション)に一周回して掛けます。ここで適度な張りが生まれ、巻きムラを抑えます。

- ボビンに糸を通す
ボビンを手に取り、内側から外側へ向けて、上面の小穴に糸を通します。通し終えたら、ボビンをミシン右側のボビン巻き軸にしっかり差し込みます。


- 巻き機構をオン
巻き軸を右へ「カチッ」と音がするまでスライド。これで針の上下動はオフになり、巻き機構がオンになります。

- 巻き始めの合図と糸端処理
糸端を上向きに軽く持ち上げ、フットコントローラーを踏んで回転開始。数巻き溜まったら、はみ出した糸端をハサミでカットして巻き込み防止。


- いっぱいまで巻く
ボビンが均一に膨らむのを見ながら、必要量まで巻きます。新しめの機種では満杯で自動停止・クリック音が入る場合があります。

クイックチェック
- 糸は左右に偏らず、均一に段差なく巻けているか。
- 巻き始めの糸端は切り落とし、内部に巻き込まれていないか。
- 巻き終わりの処理(取り外し)
巻き機構を左へ戻して「カチッ」と解除。ボビンを軸から外し、スプールとの繋がりをカット。数センチの糸尾を残しておくと、この後のセットが楽になります。
編集部メモ(用語と周辺情報) 本記事は直線縫いのための下糸準備が中心ですが、読者から「刺繍機での枠や付属品」の質問をいただくことがあります。詳細は各メーカー資料を参照ください。参考語句:磁気 刺繍枠 for embroidery
トップロード式にボビンを入れる ここからは動画のステップ5〜6。位置は針のすぐ下、透明カバーの内側です。
- ボビンケースを開く
透明カバーを手前にスライドして外します。内部のケースが見えたら準備完了。

- “Pの向き”で入れる理由
ボビンを持ち、糸端が左に垂れる向き(アルファベットのPの字)を確認。糸を引くとボビンが反時計回りに回る向きが正解です。この向きで、ケースの中央へ軽く押し込むようにセット。

プロのコツ
- “Pの向き”は、テンション(張力)を正しく得るための合図。これが逆(糸端が右)だと、張力が崩れて縫い目が乱れます。
- テンションリップへ糸を回す
ボビンを指で軽く押さえながら、もう一方の手で糸を「右 → 下 → 左」へ導きます。ケース内の小さなリップ(突起)に糸がカチッと引っかかるのを感じたらOK。

- 正しく掛かったかを確認
リップの裏へ糸が回り、スムーズに後方へ抜けることを目で確認します。ここが甘いと、下糸がゆるんで縫い目が暴れます。

- カバーを戻す
糸端をミシン後方へ逃し、透明カバーをしっかり閉じます。これで下糸の準備は完了。次工程は上糸の糸通しです。

クイックチェック
- 糸端は左に垂れているか(Pの向き)。
- 糸はテンションリップの裏に確実にかかっているか。
- カバーはしっかり閉まり、糸が挟まれていないか。
注意
- 本稿はトップロード式の解説です。フロントロード式は構造が異なるため、各自の取扱説明書に従ってください。
よくあるトラブルと対処 Q. 巻き中に糸が絡む/巻き取りがガタガタになる A. 巻き始めの糸端が長く残っていると絡みやすいです。数巻きで一度止め、余分をカットしてから再開。テンションノブに糸が1周かかっているかも確認しましょう。
Q. 針を動かしたいのに、巻き中に針が上下してしまう A. 巻き軸が右へ「カチッ」と入っていない可能性があります。もう一度しっかりスライドして巻き機構を有効化してください。
Q. セット後に下糸がゆるい A. テンションリップへ糸がかかっていないか、向きが“P”になっていない可能性。入れ直して、糸の経路を再確認しましょう。
補足(関連ワード) 刺繍分野の周辺機材に関心がある方は、キーワード検索の道しるべとして次の語句も覚えておくと便利です:刺繍ミシン for beginners
プロのコツ:失敗しないための小ワザ
- 空ボビンを複数用意しておく:プロジェクトごとに色を巻いておけば、途中交換がスムーズ。
- 同色で合わせる:上糸と下糸は同系色にすると縫い目が落ち着きます。
- 途中での“面検(めんけん)”:巻きの途中、斜めからボビン側面を見ると偏りが早期に発見できます。
- セット後は必ず手回しで1回転:下糸がスムーズに動くかの最終チェックになります。
関連メモ(参考語句) 刺繍向けの枠やフレームを調べたい場合、検索の目印として次の語句が役立ちます(機種適合は各社資料で要確認):磁気 刺繍枠/magnetic/mighty hoops
コメントから:初心者の声と次の一歩 動画コメントには「ありがとう!」「とてもわかりやすい」といった感想が多く寄せられていました。始めたばかりの方からは「毎週手ほどきがあると助かる」との声、さらには「ドッグバンダナの作り方も見たい」といった新しい題材へのリクエストも。どれも、まずは下糸を安定させるこの準備をクリアしておくと、次の作品づくりがぐっと楽になります。
編集部より(話題の派生) 刺繍作品へ広げたい読者からの相談が増えています。キーワード例として、刺繍枠 for 刺繍ミシン や hoopmaster のような用語を控えておくと、関連情報を横断的に追いやすくなります。
次に進む:上糸の糸通しへ 下糸(ボビン)の準備ができたら、最後は上糸の糸通し。そこまで完了すれば、テスト縫いで上下糸のバランスを最終確認できます。上糸の通し方は別の動画で解説されているので、あわせてチェックしておきましょう。
まとめ
- ボビンは“下糸の心臓部”。巻きはテンションノブ1周と、巻き始めの糸端カットが肝。
- セットは“Pの向き”とテンションリップの2点確認で安定。
- 最後に手回しで挙動確認し、透明カバーを確実に閉める。
今日の作業が、明日の作品を支えます。焦らず正確に、1ステップずつ進めていきましょう。
