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動画を見る:How to Change Color in Crochet: The Intarsia Method(LoveCrafts)
絵柄やブロック配色の“境界線”を、裏まできれいに仕上げたい——そんな人にこそインターシャ。色を渡らせないから厚みやテンションの乱れを抑え、作品がすっきりまとまります。

本記事では、動画の流れに沿って小さなボビンの準備から色替えのタイミング、糸の挟み方、ボビンのからまり予防まで、初心者でも迷わず再現できるように解説します。なお、編み方はUS表記のsingle crochet(UK表記:double crochet)で進みます。
学べること
- ボビン(小巻)を用意して色を渡らせない準備のコツ
- 色を見せたい位置の1目手前で行う、正しい色替えの手順
- 糸を下に挟んで穴を作らないコツとテンション管理
- 2〜3段ごとに行うボビンの整理とからまり対策
- 仕上がりチェックと、次の段へスムーズにつなぐポイント
インターシャかぎ針編みとは? インターシャは、段の途中で色を変えつつ、使わない糸を裏で渡らせない色柄技法のこと。色ごとに小さな糸束(ボビン)を用意し、必要な区画だけでその糸を使います。だから、裏面に長い渡り糸がなく、表裏ともにフラットな仕上がりになります。

なぜインターシャ?
- 厚みが均一:糸を後ろに渡らせないため、不要な層ができず厚みが増えにくい。
- テンションが安定:渡り糸の引き具合に左右されず、目がそろいやすい。
- デザイン自由度:小さな矩形やピクセルの集合で、絵柄・文字・幾何学模様などを構成できる。
動画では、紫地にグレーの小さな長方形を作る例で手順を解説。裏面には糸を横断させた跡がなく、すっきりした見た目です。

プロのコツ
- 色替えは「色を出したい目のひとつ手前」で実行。最後の引き抜きを新色で行うと、次の目から新色が立ち上がる。
- 新色の最初の目で、使わない糸を下に“挟む”。小さな穴や段ズレを防げます。

注意
- 使用糸の番手や素材は動画では特定されていません。まずは手持ちの中細〜並太など、扱いやすい糸で小さなスワッチから始めましょう。
- 針は動画内で5.0mmが登場しますが、ゲージや糸に合わせて調整を。
事前準備:ヤーンボビンを作る 動画では、色ごとに小さなボビン(小巻)を用意しています。市販のプラスチック製ボビンでも、紙切れに巻いた即席ボビンでもOK。要は“必要分だけ小分け”にすること。

ボビン化のメリット
- からまりを抑える:玉のままだと他色と絡みやすい。
- 取り回しが軽快:色替えのたびに必要分だけ手元で扱える。
- 片付けやすい:2〜3段ごとに並べ替え・整頓しやすい。
編集部の小ネタ:色柄編みと道具選び かぎ針の色柄は手で糸を運ぶ分、糸管理の練習にもなります。ミシン刺繍の世界では、枠やフレームの選び方が仕上がりと作業性を左右しますが、手編みでも“道具を小分けにして管理する”発想は同じ。たとえば、刺繍では磁力で生地を挟む枠の選択肢もあります(例:磁気 刺繍枠)。手仕事と機械のアプローチは異なっても、“素材を安定させる”という目的は共通です。
手順ガイド:色を切り替える H3: 新色をシームレスに立ち上げる まずはベース色で目を進め、色を変えたい位置の「1目手前」まで編みます。ここで針に2本のループが残った状態で旧色を手放し、新色ボビンを取り、最後の引き抜きを新色で行います。こうすると次の目から新色が自然に現れます。

クイックチェック
- 色替えは“見せたい位置の1目手前”で行った?
- 旧色が表に渡って見えていない?

H3: 穴を作らない“糸を挟む”技 新色の最初の目では、使わない糸(旧色)を新色の下に通して“挟み込む”ようにして編みます。これで色境界にピンホールが空くのを防ぎ、裏面の糸始末も最小限で済みます。

テンションの整え方
- 糸を挟む際、強く引きすぎない:境界が締まりすぎ、段に凹凸が出ます。
- 緩すぎない:境界が甘くなり、色がにじむように見えます。

H3: 元の色へ戻す 色ブロックの終わりで、目の最後に2本ループが残ったところで新色を置き、元の色を拾って引き抜きます。次の目では、今度は新色を下に挟んで固定し、穴を防ぎます。工程自体は“行きでやったことの逆”と覚えれば迷いません。

プロのコツ - なるべく“同じ手順・同じ力加減”で繰り返すこと。境界の見え方が安定します。

クイックチェック
- 境界で段の高さがズレていない?
- 使わない糸が前面に出ていない?

仕上がりを保つ:ボビン管理 色替えを続けていると、どうしてもボビン同士が交差して絡みます。動画では“2〜3段ごとに手を止めてボビンを並べ替える”ことを推奨。作業途中でもいったん平らな面に置き、次の段で使う順番に整えてから再開しましょう。

整理のステップ
- 置き場所を固定:前後・左右の位置を決め、毎回同じ位置に戻す。
- 使用順に並べる:次に拾う糸を手前、使わない糸は奥へ。
- ねじれを解消:ボビン同士が交差していたら、糸先を軽く振って解く。

注意
- 絡まりは“ミス”ではなく“色替えの性質上の必然”。気づいたら早めにほぐすのが最善策です。
編集部の余談:道具管理の発想 ミシン刺繍の分野では、特定メーカー向けの枠やフレームが多数存在します。例えばボビン管理と同様に“用途に合う専用ツールを選ぶ”考え方は、babylock 磁気 刺繍枠やbernina 磁気 刺繍枠のような機種別アクセサリー選びにも通じます。手編みではボビン、機械では枠や保持具——異なる道具でも、作業効率と仕上がりを安定させるという目的は同じです。
よくあるトラブルと対策 H3: 色替え部分に穴が空く 原因の多くは“糸を挟んでいない”か“挟む力が足りない/強すぎる”。新色の最初の目(戻るときは元色の最初の目)で必ず使わない糸を下に通して挟み、過不足のないテンションで編みましょう。

H3: エッジが波打つ・ブロックが歪む テンションのムラが原因。編地の向きを変えるとき、軽く目を整え、同じ力加減で継続。2〜3段ごとのボビン整理も有効です。

クイックチェック
- 裏面に長い渡り糸はない(インターシャでは渡らせない)
- 色替えは“見せたい目の1目手前”でできている
- 使わない糸は必ず下に挟んだ
編集部の小ネタ:ツールの選択肢 ハンズオンの色替えに慣れてくると、「道具で作業性を上げる」という発想も広がります。たとえば刺繍分野では強力磁力のフレームやスナップ式の枠がラインアップされ、ワークの固定・交換を容易にします(例:snap hoop monster、dime 磁気 刺繍枠)。用途は異なっても、“作業の停滞要因(からまり・ズレ)を道具で抑える”という考え方は、編み物にも応用可能です。
インターシャで広がるアイデア
- ブランケット&クッション:幾何学のタイルやモノグラム、ハートや星などの定番モチーフ。
- ウェアの前身頃にワンポイント:小さな長方形やシンボルを配置してミニマルに。
- キッズ向け:動物や乗り物など、視認性の高いシルエットで構成する。
動画の最後でも触れられているように、インターシャならブロックの積み重ねで多彩な図案が作れます。紙に方眼を引いて、ピクセルアート感覚でスケッチしてみましょう。

プロセスのまとめ 1) 色ごとに小さなボビンを用意。 2) 新色を見せたい目の“ひとつ手前”で、最後の引き抜きだけ新色に。 3) 新色の最初の目で使わない糸を下に挟んで穴を防ぐ。 4) 2〜3段ごとにボビンを止めて整理。 5) 仕上がりを表裏からチェックして、同じ手順を反復。
コメントから 今回の動画コメントには具体的な質問は掲載されていません。色替えのタイミング(見せたい目の1目手前)と、使わない糸を下に挟む動作を繰り返し練習することが、安定した仕上がりへの近道です。
用語メモ
- single crochet(US)=double crochet(UK)。本記事ではUS表記で説明。
- ボビン:色ごとに分割した小巻。市販/紙巻きのどちらでも可。
編集部の視点:作業設計の共通項 手編みでの“ボビン分割”は、機械刺繍での“枠選択”に似ています。用途に合わせて道具を最適化することが、きれいな結果と快適なフローを生みます。たとえば機械側ではbrother 刺繍ミシンに適合する専用アクセサリーや、汎用的なmighty hoopsのような固定具(ジャンルは異なります)が選べます。手編みではボビン、機械では枠。どちらも“素材を動かさず、意図どおりに針(フック)を運ぶ”ための工夫です。
練習のコツ
- 小さなスワッチで“色替え→戻る”を2〜3回反復し、ボビン整理も含めて一連の流れを体に覚えさせる。
- 途中で絡まっても焦らず、動画のとおり一度手を止めて整える。
- 糸の種類や号数は固定ではないため、手持ちの道具で“安定する組合せ”を見つけるのが第一歩。
最後に インターシャの色替えは、原理が分かればシンプル。色の境界がきれいに立ち上がる瞬間は、とても痛快です。自分の好きな配色で小さな長方形から始めて、クッションやブランケット、セーターの胸元などへと発展させてみてください。道具はシンプルでも、表現は無限に広がります。なお、刺繍分野に触れるなら、機種別の枠など(例:janome 磁気 刺繍枠)のリサーチも楽しい寄り道です。作品づくりの発想がきっと豊かになります。
