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Mega Quilters Hoop とは?
Husqvarna Viking Designer Epic(Epic 2 だけでなく Epic でも)をお使いで、「正方形の刺繍エリアでキルトブロックを安定して作りたい」と感じている方にとって、Mega Quilters Hoop は 260×260mm(10"×10")のスクエア枠としてちょうど穴を埋めてくれる選択肢です。長方形枠で正方形デザインをセンタリングする“計算ストレス”が減り、作業の再現性が上がります。
このガイドは単なる開封レビューではなく、現場でそのまま使える「段取り(ワークフロー)」として分解して説明します。特に、シルクデュピオンのような繊細な素材を枠で挟まずに扱うための「浮かせ貼り(フローティング)」を、付属クリップとTピンを使って安定させる流れに落とし込みます。
ここで身につく運用スキルは次の3つです。
- 機構の扱い方: スプリングアーム機構で内枠/外枠を安全に分離・固定する手順。
- 土台づくり: スタビライザーだけを枠張りして“太鼓張り”を作り、メーカー推奨の金属クリップで保持する方法。
- 浮かせ貼りの要点: 仮止めスプレーでシルクデュピオンを貼り、中心→四隅へならしてズレ(這い)を抑える手の動かし方。

互換性について(コメント情報で補足): この 260×260mm の枠は Epic と Epic 2 の両方で使用可能です(投稿者の返信より)。一方で Diamond 系への適合はコメント上「残念ながら Epic/Epic 2 のみ」とされています。購入前は、お使いの機種側で対応枠として認識されるか(機種・仕様)を必ず確認してください。

キルト用途で「スクエア枠」を選ぶ理由
スクエア枠はすべてのデザインで万能というわけではありませんが、左右上下のバランスが重要なキルト・イン・ザ・フープ(キルトブロック)では、テンション(張り)の均一性という点で有利になりやすいです。
長方形枠(例:360×260mm)で正方形デザインを縫うと、四辺の引っ張り方が均一になりにくく、縫い進むにつれて布が寄ったり波打ったり(パッカリング)しやすくなります。260×260mm のような正方形枠は、中心までの距離が四方向で揃うため、結果として次のメリットにつながります。
- 張りが揃いやすい: 円形・放射状のデザインで歪みが出にくい。
- パッカリング低減に寄与: 引っ張りの偏りが減り、縫い縮みの影響が出にくい。
- 材料ロスを減らしやすい: 正方形ブロックを大きな枠で回すより、スタビライザーや布の無駄が出にくい。
枠の選択肢を比較するなら、検索語としては husqvarna 刺繍枠 のように広めに当たり、取り付け方式や枠形状の違いも含めて確認すると迷いにくいです。
開封と付属品チェック(現場目線の事前点検)
開封自体はシンプルですが、実務では「縫い始める前の点検(プレフライトチェック)」として扱うのが安全です。小さな付属品の見落としや、機構の誤解があると、縫製中にトラブルになりやすいからです。
箱の中身(動画で確認できる範囲):
- 刺繍枠本体(内枠・外枠)
- 金属クリップ(浮かせ貼りで重要)
機構の特徴: この枠は、ネジで締めるタイプではなく、スプリングアーム機構で内枠/外枠を固定します。動作の基本は「つまんで解除 → 離してロック」です。



金属クリップの“現実”
付属の金属クリップは、スタビライザーを枠に保持するためのものです。動画でも触れられている通り、新品はかなり硬いことがあります。
- チェックポイント: 取り付けに指の力が必要でも異常ではありません(新品ゆえ)。
- つまずきポイント: 最初は付け外しが「やりにくい」と感じやすい(動画内でも同趣旨の発言)。
- 段取りの考え方: クリップ作業がボトルネックになりやすいので、量が増えるほど“枠張り工程の短縮”が効いてきます。作業時間短縮の観点では マグネット刺繍枠 のような選択肢を検討する方もいます(クリップが悪いのではなく、工程時間を削る発想)。
シルクデュピオン:枠張り(浮かせ貼り)手順
ここからが「浮かせ貼り(フローティング)」の本題です。この手順では、シルクデュピオンを内枠と外枠で挟みません。シルクは繊維がつぶれやすく、挟むと枠跡(枠焼け/テカり)が残るリスクがあるため、スタビライザー側を枠張りして、その上に貼り付けて安定させます。
準備(消耗品と安全確認)
仮止めスプレーを使う工程があるため、作業台・手・枠の清潔さが仕上がりに直結します。
動画で登場する準備物:
- スティッチ&ティア(Stitch and tear)スタビライザー(スタビライザー=刺繍の土台材)
- 仮止めスプレー
- Tピン
- ベビー用ウェットティッシュ(枠の清掃)
注意: 針物の危険。 Tピンを使う場合、縫製エリアに残ったままだと針折れや破損につながります。使った本数を必ず管理し、取り外し忘れがないか確認してください。
準備チェックリスト:
- 作業台: 平らで安定した面
- 枠: 260×260 であること、スプリングアームがスムーズに動くこと
- スタビライザー: 枠にしっかり掛かるサイズでカット
- スプレー対策: 飛散を受ける紙・段ボールなどを用意
- 手: 油分や汚れを落としてから作業(シルクは跡が出やすい)
繰り返し作業の精度を上げたい場合は、作業面を固定化する/枠固定台 のような環境を整えると、枠張りのムラや位置ズレが減りやすくなります。
Step 1 — 開封と解除機構の扱い
保護フィルムを外し、スプリングアーム(解除レバー)をしっかりつまんでロックを解除します。
チェックポイント: 内枠は“こじらずに”まっすぐ持ち上がるのが正常です。無理にこじる必要がある場合は、解除が甘い可能性があります。
Step 2 — スタビライザーだけを枠張り(太鼓張り)
外枠を作業台に置き、スティッチ&ティアを上にかけます。内枠を真上から押し込んで固定します。
「太鼓張り」基準: 指で軽く叩いたときに張りが感じられる状態を目標にします。ここが緩いと、後工程で布がズレやすくなります。

Step 3 — 金属クリップで周囲を固定
浮かせ貼りでは布がスタビライザーを押さえてくれないため、クリップでスタビライザーを枠に保持する工程が重要です。
- 付け方の要点: C字のクリップを枠の縁に掛け、押し込んで固定します。
- 均等配置: 偏りがあると張りが崩れやすいので、周囲に分散させます。


Step 4 — Tピンで“アーム側の弱点”を補強
枠のアーム(取り付け部)付近は、構造上クリップを付けにくい箇所が出ます。そこが緩むと、スタビライザーが引き込まれてズレの原因になります。
対処:
- Tピンを用意します。
- スタビライザーを押さえるように、枠の隙間(フォーム/ギャップ)に向けて差し込み、テンションを補助します。
- チェックポイント: ピン頭が浮かず、ミシンヘッドの可動域に入らない位置で固定します。
動画では「少し曲がっている方が入れやすい」旨の言及があります。

Step 5 — 仮止めスプレーを吹く
仮止めスプレーをスタビライザー面に吹き付けます。動画では“しっかりめ(たっぷり)”にスプレーしています。
チェックポイント: 貼り付きが弱いと感じたら、一度布を持ち上げて追加でスプレーします(動画内の手順)。
清掃: スプレー後は、枠の樹脂部分をベビー用ウェットティッシュで拭き取って清潔にします(動画内で実施)。

注意: スプレーはミシンの近くで行わず、飛散対策をした場所で行ってください。機械周りにミストが付着するとトラブルの原因になります。
Step 6 — シルクデュピオンを浮かせ貼りして、中心からならす
シルクデュピオンをスタビライザーの上に置き、中心から四隅へ向けて手でならして貼り付けます。動画では、折りたたんだ布を広げながら、シワや浮きが出ないように押さえています。
ならし方の要点:
- 中心→外側: 空気を逃がしながら貼るイメージ。
- 角の確認: 角が浮くようなら、いったん持ち上げてスプレーを追加します。

この考え方は、布を枠で挟んで傷めないことを優先する「浮かせ貼り」系の定番で、関連情報を探すときは フローティング用 刺繍枠 のような語でも見つけやすいです。
「浮かせ貼り」の安定性を分解する
浮かせ貼りは、安定させる層(スタビライザー)と、見せる層(表布)を分けて考えるのがコツです。
安定の式
- 枠+スタビライザー+クリップ(+Tピン)= 張りを受け持つ土台
- 仮止めスプレー+表布= 土台の上に“乗る”層
クリップ(Step 3)やTピン(Step 4)が甘いと土台がズレ、ならし(Step 6)が甘いと表布が浮きやすくなります。
判断フロー:浮かせ貼りにする?挟み込み枠張りにする?
1. 繊細で枠跡が出やすい素材(シルク等)?
- YES: 浮かせ貼りを優先。
- NO: 次へ。
2. 量が多く、枠張り工程が負担になっている?
- YES: 工程短縮の観点で husqvarna viking 用 マグネット刺繍枠 のような選択肢を検討。
- NO: 付属クリップ運用でも十分回せるケースが多いです。
ミシンに持っていく前の最終チェック
- 張り: スタビライザーがしっかり張れている
- 固定: クリップが均等に付いている/Tピンがアーム側で効いている
- 貼り: 表布が中心からならされ、角が浮きにくい
- 干渉: クリップやピンが縫製エリアに入っていない
- 清掃: 枠に糊残りが少ない(拭き取り済み)
アクセサリーを追加購入する際は、取り付け方式が機種専用であることが多いので、husqvarna viking 用 刺繍枠 のように“機種名込み”で確認すると失敗が減ります。
最終確認と運用メモ
動画では、枠をミシンに取り付けた際に 260×260 の枠として認識された旨が触れられています。取り付け後は、縫製中にクリップやTピンが干渉しないかを最優先で監視してください。

運用チェック(縫い始め直後)
- 目視: キャリッジ移動でTピンに近づきすぎないか
- 音: クリップに押さえが当たるような異音がないか
- 布の動き: 表布が波打ったり、角がめくれたりしていないか
接続や呼び名で情報を探す場合、コミュニティでは mega hoop 刺繍枠 husqvarna 用 のような言い回しで話題になっていることもあります。
トラブルシューティング(症状→原因→対処)
| 症状 | ありがちな原因 | すぐやる対処 | 予防 |
|---|---|---|---|
| パッカリング(デザイン内が波打つ) | スタビライザーの張りが弱い/固定が甘い | いったん停止し、張りと固定を見直す | 枠張り時に“太鼓張り”を基準にする |
| 布が貼り付かない(浮き・角がめくれる) | スプレー量が足りない | いったん剥がして追加スプレー | 貼り付け前にタック感を確認する |
| クリップが硬くて付けにくい | 新品で硬い | 無理せず手を休めながら作業 | 量が増えるなら工程短縮の検討(例:husqvarna マグネット刺繍枠) |
注意: マグネット枠を使う場合は、強い磁力で指を挟む危険があります。取り扱いは十分注意してください。
「次の段階」へ進むタイミング
単発の作品なら、付属クリップ+スプレー+Tピンの浮かせ貼りで十分に高品質を狙えます。一方で、同じ工程を何十回も繰り返すと、クリップ作業やスプレー段取りが“時間の壁”になりやすいです。
そのときは、技術の問題ではなく工程設計の問題として、
といった方向で、無理なく再現性とスピードを上げていくのが現実的です。
