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SmartStitchでの制限を理解する
結合した直後のデザインは、サイズ変更の画面に入っても“Not a normal design(ノーマルではない)”と表示され、拡大・縮小ができません。これは動画の冒頭で示される核心ポイントです。

ここで覚えておきたいのは、「結合=ひとつに見えるだけ」で、まだ“編集可能なノーマル刺繍デザイン”ではないという事実。無理に拡大しようとしてもエラーが返ってきます。

クイックチェック
- 変更メニューを開いたとき、“Not a normal design”と出るか?
- もし表示されたら、変換操作へ進む準備ができています。
注意
- この時点ではスケール操作を繰り返しても意味がありません。変換こそが第一歩です。
結合デザインを組み立てる
最初にベースとなるデザインを選びます。動画ではハロウィン直後ということで、ゴーストのモチーフをセレクト。ライブラリから選択し、画面上で移動して配置します。

配置は方向キーで少しずつ詰めていくと正確です。右下に寄せたいなら、等間隔で微移動しながら位置を決めましょう。

プロのコツ
- 細かな位置調整は“現在の移動距離”を小さめに保つと狙い通りに動かせます。
次に文字を追加。オンスクリーンキーボードで“BOO!”と入力し、ゴーストの上に置きます。最初は別オブジェクトとして現れるので、移動してレイアウトを整えていきます。

文字が表示できたら、視認性を高めるための再配置。上に持っていき、ゴーストとのバランスを観察。中央揃えや高さの基準線をイメージすると落ち着きます。

フォント・サイズ・字間の最終調整
見出し文字の印象はサイズと字間で決まります。縦方向で高さを出し、横方向で幅を稼いで存在感を調整。詰まり過ぎに感じたら文字間隔を少しずつ広げます。

フォントを切り替えると、雰囲気が一気に変わります。動画でもフォントの選び直しを試し、テーマに合う表情へ。

文字は高さ・幅・字間の三点で“最適値”が決まります。数値を大きく動かすより、少しずつ、前後比較しながら進めるのがコツです。

さらに、各文字を別色にすれば配色の自由度が増します。編集上の自由度を残すためにも、いったんこの段階で保存しておくと安心です。

クイックチェック
- 文字が正しく“BOO!”になっているか(!を含む)
- ゴーストの上に自然に収まっているか
注意
- フォントが読みにくい場合は即変更。視認性を優先しましょう。
肝心の一手:ノーマル刺繍デザインへ変換
まずは結合状態を保存。これは“途中保存”の意味合いが強く、ここから手描きの装飾を加えても安全に戻れます。

ここでスタイラスに持ち替え、描画フィールドに手描きの“ウィスプ(煙のような線)”を追加。曲線を散らして動きを与え、文字とゴーストを柔らかくつなぎます。

満足できたら、改めて“新しいデザインとして保存”を選択。すべての要素を含んだ“結合デザイン”ができました。

次が最大の見せ場。ライブラリから今の結合デザインを選択し、三点メニューを開きます。オプション“6: Change combined design to normal emb. design”を選び、新しい番号を割り当てて確定。

これで“ノーマル刺繍デザイン”に変換完了。サイズ変更やその他の編集が解禁されます。

クイックチェック
- 新規番号のデザインとして登録されたか
- スケール画面に入ったとき、もうエラーが出ないか
注意
- 既存番号に上書きしないように。別番号で保存するのが安全策です。
サイズ変更の自由度を解放する
変換後のデザインを呼び出し、スケールを110%に。XもYも同率で拡大すると、縦横比を崩さずに見栄えを維持できます。

続いて、100%へ戻して原寸を確認。増減を繰り返すことで、仕上がりのイメージを掴みやすくなります。

ここまでで、結合→保存→装飾→保存→“変換”→拡大縮小の一連の流れが成立。これがSmartStitchで自由度を確保するための王道です。

プロのコツ
- 拡大時は配置の“中心揃え”を一度取り直すと、意図した位置に戻しやすい。
- 100%と110%を見比べ、刺繍密度や視認性の変化を画面でチェック。
SmartStitchワークフローのコツ
- 保存の習慣化:重要な編集ごとに“新規デザイン”でセーブし、戻れるポイントを多めに確保。
- レイヤー感の演出:文字と図案を近づけ過ぎない。手描き曲線を“橋渡し”として使うと統一感が生まれます。
- 数値は微調整:縦横比はX/Y同率が基本。別率に動かすなら、必ずプレビューで歪みをチェック。
- 取り消し前提で描く:手描きは“試す→消す”を素早く回すのが上達の近道。
なお、SmartStitchユーザーでも、フレームや枠の話題はしばしば気になるところ。ここでは操作解説が主題のため詳細には踏み込みませんが、用語として次のような検索キーワードを見かけます。作業環境の検討時に、参考程度に覚えておくと便利です(本記事では仕様・適合可否には触れていません)。ひとつの段落に一例ずつ紹介します。
- 実機の操作に慣れてきたら、周辺用語のリサーチをすると全体像がつかめます。例:smartstitch s1501
- 装着アクセサリーの名称は似ていても仕様は各社で異なります。例:smartstitch 刺繍枠
- フレームまわりの表記ゆれも多いので、別表記も候補に。例:smartstitch フレーム
- 拡張アクセサリー名を耳にしたら、まずは公式情報で確認を。例:smartstitch 磁気 刺繍枠
- 汎用名と固有名が混在するケースも。例:smartstitch mighty hoop
- 呼称違いの派生語もあります。例:mighty hoop for smartstitch
- 表記が複合的なパターンも。例:mighty hoops for smartstitch 刺繍ミシン
よくあるつまずきと対処
症状:結合したのにサイズ変更できない
- 原因:まだ“ノーマル刺繍デザイン”への変換をしていない。
- 対処:三点メニュー>“6: Change combined design to normal emb. design”を実行し、新番号で保存。
症状:文字が読みにくい/バランスが悪い
- 原因:フォント・字間・サイズの不整合。
- 対処:高さと幅を段階的に再調整。字間を少し広げ、読みやすいフォントへ変更。
症状:手描きの線が落ち着かない
- 原因:曲線の密度過多、配置バランスの偏り。
- 対処:一部を取り消し、視線の流れを作るように“疎密”をつける。
クイックチェック
- 保存は「結合前」「手描き後」「変換後」に最低3回行っているか
- 変換後のスケール画面でX/Yが同率になっているか
- 110%/100%を切替えて見たとき、意図した見え方になっているか
コメントから
- 質問:S1201でファイル結合のオプションが見つからない——という声がありました(動画コメント)。本記事はSmartStitchの操作手順まとめです。機種が異なる場合は、該当機の公式マニュアルやサポート窓口の最新情報をご確認ください。
まとめ 結合しただけではスケール不可——この制限を“変換”で突破するのがSmartStitchの正攻法。ベース選択→文字追加→装飾→保存→“ノーマル刺繍デザイン”へ変換→拡大/縮小の順で進めれば、自由度の高いワークフローが手に入ります。仕上げ前に110%/100%で見比べ、バランスを最終確認してから本縫いへ。これで“作りたいサイズで刺繍する”が、ぐっと身近になります。
