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1 プロジェクトの概要
Solaris 2 のアップグレードでは、縫製モードの端点指定(Endpoint)や刺繍モードのサッシング・フィルデザインを活用し、家庭用環境でもプロ品質のボーダーキルティングが可能になります。実演では壁掛け(23×16インチ)を例に、1.5インチ幅のボーダーを画面上で寸法指定し、自動分割(全12ピース)で連続刺繍しました。
この方法が有効なのは、ボーダーを正確な寸法で“面”として入れたいとき、そして複数フーピングを継ぎ目なくつなげたいときです。反対に、材質差や厚み段差が極端で、押えや送りの安定が確保できない場合は、先に小さな作品で試走して、傾きの癖やテンションの合わせ方を掴むのがおすすめです。なお、枠はマグネット式を使うと、再フーピングのテンポが上がりますが、機種・枠の仕様はお使いの環境に合わせてください(動画では7×14インチのマグネット枠が選択されています)。
本稿では、道具の役割→画面設定→初回セグメントの合わせ→以降の継ぎ足し→仕上げ確認までを順に解説します。要所にはチェックリスト・注意・プロのコツを併記し、作業の速度と精度を両立できるよう構成しました。なお、用語・数値は動画で触れられた範囲に限定しています。
1.1 いつ使う手法か
・ボーダーを“寸法から逆算して”作りたいとき(23×16インチの外形と1.5インチの幅など) ・継ぎ目を視認させずに連続柄を回したいとき ・ステッチ・イン・ザ・ディッチで土台を締め、上に軽いフィルを走らせたいとき
・クイックチェック:初めての方は、ランチョンマットなど小物で練習を。ここで端点と回転調整の勘どころを掴むと、大判でも迷いません。
1.2 作品例の理解
壁掛けには“USA”の刺繍(Fabric Confetti「Pea Pods」)が施され、文字の中に独自のキルティングが入っています。ここに額縁状のサッシングを追加し、内側のモチーフを引き立たせています。

実際の作業は、溝縫い→サッシング設定→フーピング→刺繍→次ピース調整…の繰り返しです。
プロのコツ:マグネット式枠の着脱が速いと、継ぎ足し確認のテンポも上がります。作業ペースを乱す要因は“見えないズレ”なので、確認ルーチンを固定すると安定します。
2 準備する道具・素材・下ごしらえ
・ミシン本体:Baby Lock Solaris 2(アップグレード適用) ・押え類:デジタルデュアルフィード用押え+ステッチ・イン・ザ・ディッチ押え(溝ガイド付き)


・端点指定シート:角での自動停止位置の目印に使います

・枠:マグネット式(例:7×14インチ) ・糸/生地:プロジェクトに合わせて。カラー変更を伴うデザインでは段取りよく準備を ・補助具:ハサミ、ペーパー片(後述の“見える化”で使用)

注意:本稿は動画に基づき、特定の糸番手・針番手は明示されていません。未記載の条件は各自の環境でテストし、最適化してください。
ここで、枠関連の選択肢として マグネット刺繍枠 を使う場合は、生地の厚みやキルトサンドの段差に合わせて磁力の掛かり方を一定に保つ意識が重要です。
・下ごしらえチェックリスト
- トップと裏、キルトサンドの歪みがないか
- 端点指定シートの予備があるか
- 押えの取り付け/デュアルフィードの噛み合わせ
- 枠サイズと作品寸法の対応関係
3 セットアップ:デザイン選択と寸法入力
まず刺繍モードを開き、サッシングのフィルデザインからパターン#3を選択します。


次に“ボーダー”を選び、作品の外形寸法として長辺23インチ、短辺16インチを入力。ボーダー幅は1.5インチを指定し、使用する枠として7×14インチのマグネット枠を選択します。

ここで機械は、入れた寸法と枠サイズから自動的に分割数(例:12ピース)を算出します。分割を確認できたらメモリーに保存し、呼び出して準備完了です。フーピングに入る前に、選択した枠が画面設定と一致しているか必ず再確認してください。
プロのコツ:ボーダー幅は、中心モチーフとの“余白比率”を意識すると決めやすくなります。文字やモチーフの主線と干渉しない幅に抑えると、仕上がりに落ち着きが出ます。
なお、Solaris 2 以外の環境で練習する読者に向けて、一般的な相性として 刺繍ミシン 用 マグネット刺繍枠 は繰り返しのフーピングで効果を発揮しますが、機種ごとの互換は必ず事前に確認してください。
・セットアップのチェックリスト
- デザイン:サッシング #3(“ボーダー”を選択済み)
- 寸法:23×16インチを正しく入力
- 幅:1.5インチ
- 枠:7×14インチ枠(画面の選択と実物が一致)
- 自動分割:12ピース表示を確認
4 手順:ボーダーを継ぎ目なく縫い進める
4.1 溝縫いで土台を締める(任意)
先にステッチ・イン・ザ・ディッチで土台を引き締めます。デジタルデュアルフィード+溝ガイド付き押えを使い、端点指定で角ぴったりに停止。押えが自動で上がったら作品をピボットして、次の辺へ移行します。角での“止め”“向き直し”がリズム良く決まるので、ボーダーの輪郭も自然に整います。
・クイックチェック:角の停止点が溝の延長線上にあるか。オーバーランや手前で止まる癖が出たら、端点指定シートの貼り替えと、進入速度の見直しを。
ステッチ・イン・ザ・ディッチが苦手な方は、レーザー補助も有効ですが、実演では専用押えのガイドが最も扱いやすい印象でした。レーザーは“目安”で、ガイドは“機械でなぞる”という違いがあります。
ここで、ベビーロック系の枠互換で迷う場合は マグネット刺繍枠 babylock 用 の互換性情報を事前に確認し、選択した枠と画面設定が一致していることを確かめましょう。
4.2 最初のセグメントを合わせて刺繍
刺繍枠を装着し、機械の指示に従って“右上角”など開始位置へ移動します。生地や糸の色によっては、投影やレーザーのラインが見えにくいことがあります。その場合は、針下に薄手の紙を差し込んでラインを白地に投影させると、位置が一気に“見える化”します。




角の一点が揃ったら、ステッチを開始します。

注意:フーピングが斜めに入ったまま進めると、次のセグメントの上端・下端に“ねじれ”が残ります。ここでの微調整を惜しまないことが、後の時間短縮になります。
なお、紙の“見える化”テクニックは、色の乗りが弱い生地でも有効です。紙が動かないよう、押えを下げた状態でそっと差し入れ、位置決めが終わったら必ず回収しましょう。
ここで、サッシングの継ぎ足しを繰り返す用途なら babylock マグネット刺繍枠 サイズ の選択が作業効率を左右します。長辺を一度に多くカバーできるサイズがあると、分割回数と再フーピング回数を減らせます。
4.3 以降のセグメントをつなぐ
1ピース目が終わると、機械は「次のパターンを接続」と表示します。ここで“回転キー”を使い、上端→下端の順に合い具合を確認。必要なら微回転・微移動で点合わせを詰めてから開始します。

・プロのコツ:合わせは“1点基準+もう1点検証”。最初に上端の一点で“合った”手応えをつくり、次に下端で“ねじれがない”ことを確認すれば、全体の直進性が保てます。
・カラー変更:デザインが多色の場合、色替えは区切りの良いところで。


糸替え後は必ず上糸経路をなぞり、テンションが段差で引っかかっていないかを軽く試縫いして確認すると安心です。
ここで、より強力な保持力や着脱性を求める読者は snap hoop monster マグネット刺繍枠 のような選択肢も検討できますが、環境により適合が異なるため、必ず仕様を確認してください。
4.4 決め手になる“見える化”と基準の固定
・紙でラインを見える化 ・上端一点の基準化→下端の検証 ・傾きは“回転キー”で直す(移動だけで合わせようとしない) ・生地の浮き上がりは、フチを撫でて押さえ直してから再確認
ここで、再フーピングの再現性を上げたい場合は hoopmaster 枠固定台 のように位置決めを物理的に安定させる補助治具も有効です。運用が合えば、作業テンポが一定になります。
・手順チェックリスト
- 1ピース目:角一点の正対を確定
- 2ピース目以降:上端→下端で点合わせ、必要なら回転補正
- 糸替え後:テンションと経路の再確認
- 仕上げ:四隅のコーナーが自然につながっていること
5 仕上がりチェックと完成後の扱い
完成したボーダーは、各セグメントの“始まりと終わり”が無理なくつながっているのが理想です。近距離で見ると、連続柄のキザミやテンション差がわずかに出ることがありますが、以下を満たせば合格ラインです。
・四隅:角のモチーフが途切れず、向かい合う辺で柄の位相が揃っている ・上下:上端と下端のラインが並行で、波打ちがない ・段差:継ぎ目で生地が押し上がっていない
・クイックチェック:離れて全体を見ると、局所の小さな乱れはほとんど目に入りません。仕上げは“俯瞰での均整”を優先しましょう。
完成後は余糸の処理と、必要に応じて軽い整形を。動画では特定のプレス設定は示されていませんが、熱と圧の入れすぎはテクスチャを潰す原因なので控えめを心がけます。
なお、作品に合わせて枠や保持具を選ぶ発想は普遍的で、たとえば繰り返しの生産や位置合わせの再現性を上げたい状況では 刺繍用 枠固定台 の併用が効率化に寄与します。
6 トラブルシューティング&コメントから
症状→原因→対処の順で、現場で起こりやすい事象を整理します。
・症状:次のセグメントで上端は合うが、下端が1〜2mmずれる
- 原因:フーピングの斜行/移動だけで合わせた
- 対処:回転キーで角度を合わせ直し、上端→下端の順で検証
・症状:角で止まり切れず、オーバーランする
- 原因:端点指定シートの位置ズレ/進入速度が速い
- 対処:シートを貼り直し、速度を一段落としてピボット
・症状:レーザーや投影が見えない
- 原因:生地色・柄が強く、光が埋没
- 対処:薄い紙を針下に差し、白地へ“見える化”
・症状:糸替え後に上糸が引きつる
- 原因:経路の掛け違い/テンションの段差
- 対処:色替えのたびに経路をなぞり、試し縫いでテンション確認
・症状:継ぎ目に段差が出る
- 原因:フーピング時のテンション不均一
- 対処:枠の四辺を均等に押さえ直し、再フーピング
プロのコツ:練習台として、季節のプレースマットやテーブルランナーを。小さな面で“上→下”の基準づくりを反復すると、大判でも迷いが消えます。
・コミュニティから ある視聴者の問いに対し、店舗側は公式SNSリンクを案内していました(詳細個人情報は省略)。運用の最新情報やイベントは、店舗の公開ページで随時更新されます。
最後に、枠の互換を検討する際は マグネット刺繍枠 brother 用 のような名称が近い製品でも適合が分かれる場合があるため、機種・型番と実寸の両面から確認するのが安全です。
参考:本稿の数値・手順は、動画内で示された情報(23×16インチ、幅1.5インチ、分割12ピース、7×14インチ枠、押えの使い分け、端点指定の活用、紙による見える化、回転キーでの微調整、カラー変更の段取り)に基づいています。未記載の条件(糸・針・圧力・速度など)は各自の試縫いで最適化してください。
補足:マグネット枠の選択肢は多岐にわたります。ベビーロック環境の実例に近いものとして マグネット刺繍枠 babylock 刺繍ミシン 用 のような表記を見かけますが、購入前には必ず適合表をチェックし、作業面積・磁力・厚物への対応を含めて検討しましょう。
練習のロードマップ
- 小物(プレースマット)で端点→回転→継ぎ足しの一連を確立
- 同一サイズの反復でフーピングの再現性を高める
- 大判へ移行し、四隅の処理と位相の揃え方を洗練
最後に、位置決め精度をさらに底上げしたい場合は マグネット刺繍枠 11x13 のように実寸と運用のバランスがよいサイズを選ぶと、分割数が過不足なくまとまり、作業効率に直結します。
