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動画を見る:『Whimsical Houses in Rain』(Sarah's Hand Embroidery Tutorials)
最小限のステッチで、物語のある風景を刺す。地面と雲のアウトライン、家の輪郭、そして虹色にきらめく“雨”。この動画は、そんな小さな景色を1〜2時間で仕上げる手刺繍のレッスンです。

針目を変えるだけで、線の温度や質感が変わる。黒のアウトラインに、カラフルな雨粒—ガラスビーズが光を受けて、作品全体が生き生きしてきます。初心者でも大丈夫。動画どおりに、落ち着いて進めていけば、きっと完成に届きます。
・学べること
- ステムステッチで地面や雲を滑らかに描くコツ
- バックステッチで家の角を“ピン”と立てる刺し方
- ランニングステッチ+ビーズで虹色の雨を作る基本
- 針や糸本数(全編2本どり)とビーズ通しのポイント
- 配色とビーズ配置の考え方(規則とランダムのバランス)
はじめに:雨の中のふしぎなお家 このプロジェクトは、黒のアウトラインとビーズのコントラストが魅力。線が整うと、ビーズの色がより引き立ちます。作者は全編を通して刺繍糸は2本どり。輪郭に黒を選ぶのは、後で“雨”にあらゆる色をのせても景色が締まるからです。

注意
- 所要時間は約1〜2時間。無理に詰めず、集中できるブロックで進めましょう。
- パターンは動画制作者の支援者向けに提供されています。入手方法は動画説明を確認。
材料と道具 必要なものはシンプルです。白地の布、刺繍枠、刺繍針、刺繍糸(黒/虹色一式)、そして3mmのガラスビーズ。ビーズを通すには、針の“穴の細さ”が最重要。穴が通らないと作業が止まるので、事前チェックを忘れずに。
プロのコツ
- 針は細い目のビーズ針か、ビーズが確実に通る細穴のものを。通らない針穴はストレスの元です。
- 糸は常に2本どりで統一。ラインの太さが揃い、全体のリズムが整います。
クイックチェック
- ビーズ(3mm)が針穴に通るか?一粒で試してからスタート。
- 糸端は撚れが戻らないよう短く整えておくと絡みにくい。
下描きを刺す:アウトラインの基本 地面:ステムステッチ まずは地面やベースのラインから。ステムステッチは“ロープ状”に見える美しいラインが特徴。作者は縫い取り(sewing method)と刺し取り(stab method)を併用しています。縫い取りはテンポよく進み、刺し取りはコントロールが効く。長い直線やゆるいカーブは縫い取り、細かい曲線は刺し取り、と使い分けると安定します。

ステムステッチの手順メモ
- 糸は常に同じ側へ倒すと撚りがそろい、ラインが均一に。
- 針目の長さは一定に。地面の“帯”として連続するので、リズムが大切です。

小さなカーブや細部は、刺し取りで一針ずつ。針を一度抜いて裏から上げ、落ち着いて角度を決められるのが強み。線を終えるときは、最後の目を半分に分けるように収めると、継ぎ目が目立ちません。

地面の複数ラインが並ぶと、景色の基礎が現れます。波打つようなラインも、針目が整っていれば“心地よい揺れ”になります。迷ったら、短めの針目に戻るのが安全策です。

家:バックステッチ 家の輪郭にはバックステッチ。直線が多いモチーフなので、針目が揃えば即座に建築的な“きりっと感”が出ます。角は“角点を刺す”意識を強く。いったん角の点に針を必ず通してから折り返すと、屋根の鋭さが決まります。

角をシャープにするコツ
- カドの手前で一度止め、角点を正確に刺す。
- 角を過ぎた最初の一針を短めにし、角の印象を引き締める。

全ての家の輪郭が通ると、地面との対比が生まれ、風景の骨格が完成します。この段階で線の乱れを微修正しておくと、後の“雨”が映えます。

雲:ステムステッチ 雲は曲線主体。カーブがきつい部分ほど、針目を“ぐっと短く”刻むこと。長い針目は角ばって見えるので、思い切って1〜2mm刻みで円滑さを優先しましょう。

雲が輪郭を得ると、画面上部の“空気”が整い、雨の落ちる方向性が見えてきます。これで黒のアウトラインは一通り完成。次は色と光の出番です。

注意
- カーブに長い針目を使うとギザついて見えます。迷ったら短く。
- 線の太さが不揃いに感じたら、糸の引き加減を“ふわっと”弱めに。
虹色の雨をつくる:ランニングステッチとビーズ ランニングステッチで雨筋を作り、ところどころにビーズを落としては留める、を繰り返します。作者は一色につき3本の雨筋というリズムで進行。最初は赤からスタートし、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、バイオレットに続き、最後にフューシャも追加しています。色順は厳密でなくてもOK。自分の“気分の虹”を優先して構いません。

ビーズの置き方
- ランダムに“1〜2粒”を間に落とす感覚。規則的になりすぎると“縫い付けた飾り”に、ランダムさがあると“降っている雨”に見えます。
- 各色の雨筋は幅を一定に保つと、全体が整います。間隔は自分の刺しやすいリズムでOK。
プロのコツ
- ビーズ針(細穴)を必ず用意。穴が通りにくいときは針を交換。
- 糸は引きすぎない。ビーズの周辺で布を引き寄せないよう、ふわっと留める。
クイックチェック
- ビーズは確実に留まっているか?軽く爪で触れても動かない程度に。
- ランニングステッチの間隔はおおむね一定か?“雨”に見えるリズム感が出ているか。
色の進行 赤が終わったらオレンジへ。ビーズは糸色に合わせると一体感が出やすいですが、透明色を全色に使うと“きらめきだけをのせる”上品な表現にもなります。スパンコールや類似の装飾も試せます(動画内ではアイデア紹介のみ)。

イエロー、グリーン、ブルーと進むと、雨筋の重なりが生き始めます。真下に落ちる線と、家の輪郭との重なりが生む“前後関係”に注目。空間の見え方がぐっと豊かになります。

バイオレットのあとに、フューシャを一色足すと、虹の端に温度差が生まれて華やぎます。規則に縛られすぎず、好みで増減を。完成の“気配”を感じたら、そこで止める勇気も大切です。

仕上がり すべての色が降り注ぐと、黒いアウトラインが“舞台”となって、ビーズの光が前面に躍ります。刺繍枠のまま飾っても、ポーチやクッションに仕立てても映えるデザインです。

プロのコツ(復習)
- 一色につき3本の雨筋という“リズム”は有効。配色の迷いが減ります。
- ビーズは“散らす”意識を忘れずに。偏りは目立ちます。
- アウトラインの黒は、色をのせても沈まない万能の下地。
トラブルシューティング
- ビーズが通らない:針穴が太い可能性。細穴針に交換。ビーズの向きも試す。
- 雨筋が乱れる:針目の間隔を数えながら進める。迷ったら短めの間隔で。
- 角が丸く見える:角点を必ず刺す→折り返し最初の目を短く。
うまく仕上げるコツとアレンジ
- 透明ビーズの活用:どの色の糸にもなじみ、“光”だけを足せます。
- ビーズの種類:動画では3mmガラスビーズ。バグルビーズ(筒状)も面白い表情に。
- 配置の工夫:中央を密、外側を疎にすると、雨雲の“厚み”が演出できます。
アレンジのヒント(手刺繍派のまま楽しむ)
- 家の高さを一つだけ高くして“主役”を作る。
- 雲の縁を部分的に二重線にして空気感を強調。
- 雨の一部をビーズなしでステッチのみ—“奥の雨”として距離感を表現。
コラム:道具の話(参考情報) 本プロジェクトは手刺繍で進めますが、もしミシン刺繍でレイアウトを試したい方は、道具選びの一般キーワードを手がかりに情報収集してもよいでしょう。たとえば、磁気 刺繍枠 や magnetic フレーム といった用語は、布の固定方式の違いを知る入口になります。さらに、入門者向けの情報として 刺繍ミシン for beginners の検索語も役立ちます。ブランド別に見るなら 刺繍枠 for 刺繍ミシン のような広い語から始め、必要に応じて絞るのがコツ。スナップ式フレームの概念を知るには snap hoop monster、磁力固定の代表語では mighty hoop、より広い範囲を示す 磁気 刺繍枠 for embroidery なども“用語の地図”として覚えておくと比較検討がスムーズです。なお、本記事の作品手順は動画に基づく手刺繍であり、機材スペックや適合サイズ等の詳細はここでは扱いません。
仕上げと見せ方のヒント
- アイロンは裏から、ビーズ部分を避けて低温で軽く。
- 作品は光が当たる場所に飾ると、ビーズの反射が際立ちます。
- 写真撮影は斜め光で。ビーズの立体感がきれいに写ります。
FAQ(動画準拠)
- どの針を使うべき?:ビーズの穴を通る“細い針穴”が必須。
- 糸は何本どり?:全行程で2本どり。
- ビーズの種類は?:3mmのガラスビーズ。バグルビーズもアイデアとして紹介されています。
- どれくらい時間がかかる?:およそ1〜2時間。
- 図案は?:支援者向けに提供(詳細は動画説明)。
コメントから:視聴者の声
- 初心者から「とても助かった」という声。丁寧な語りとやさしい進行が、最初の一歩を後押ししてくれたようです。
- 「大好き!」のメッセージには作者からの感謝の返信も。動画の雰囲気そのままの温かいやり取りが印象的でした。
- 「素晴らしい!」といった短い感想にも、絵文字で軽やかに返答。コミュニティの空気が柔らかいのは、作品の世界観と響き合っています。
おわりに 黒いラインに、色と光の雨が降る—それだけで布の上に“景色”が生まれます。ステッチの基本を押さえ、ビーズを少し散らす。たったそれだけで、日常の布小物が物語を帯びます。次は家の形を変えたり、雲の位置をずらしたり。あなたの“ふしぎなお家”を増やして、ミニ・ギャラリーを作ってみてください。
